『EQ〜こころの知能指数』の内容を要約!EQを高めるメリットとは?

eqこころの知能指数 EQコラム

「人の能力はIQ(知能指数)で測定することは不可能」「人生の成功を決めるのはEQ(こころの知能指数)」という考え方は、アメリカの心理学者、ダニエル・ゴールマン氏が1996年に出版した『EQ〜こころの知能指数』という著書から広まりました。この著作は全世界で500万部、日本でも80万部の販売部数を記録した大ベストセラー本です。

今回は、『EQ〜こころの知能指数』をもとに、ダニエル・ゴールマン氏のEQ理論を解説します。ダニエル・ゴールマン氏の考えるEQに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

EQとは「感情知能指数」

感情知能指数

ダニエル・ゴールマン氏はEQを、「自分と他人の感情を認識し、自分をモチベートし、自分の感情を自己の内面と人間関係の両方の側面からコントロールする能力」と定義づけています。まずは、EQの構成要素やEQが注目される背景などについて解説していきましょう。

ダニエル・ゴールマン氏のいうEQの構成要素

ダニエル・ゴールマン氏の言う、EQの構成要素は次の5つです。

自己認識(Self-awareness)

自己認識(Self-awareness)とは、「自己の感情や強み・弱み、情熱や価値観や目標、他社に及ぼす影響の認識」です。高い自己認識を持つ人は、自分に自信があり、現実的な自己評価ができます。自分を笑い飛ばすユーモアや、建設的な批判を受け入れられるタフさも特徴的です。

自己抑制(Self-regulation)

自己抑制(Self-regulation)とは、「自分の破滅的な感情や衝動を抑制できる能力」です。高い自己抑制を持つ人は、誠実さや高潔さがあり、変化に対して寛容に対応できる特徴があります。

動機付け(Motivation)

動機付け(Motivation)とは、「成果に向けた情熱や、自分だけでなく関係する人たちに達成感を与えられる能力」です。高い動機付けを持つ人は、仕事への情熱があり、改革に向けてひるまない努力ができます。失敗に直面しても、楽観的にものごとを進められる点が特徴的です。

共感性(Empathy)

共感性(Empathy)とは、「合理的な決定をする際に、関係する他者の気持ちに寄り添い、思いやりのある言動がとれる能力」です。高い共感性を持つ人は、優れた人材を育成できます。異文化に対して敏感な感覚を持っている点も特徴的です。

ソーシャルスキル(Social Skill)

ソーシャルスキル(Social Skill)とは、「他者との調和した人間関係をマネジメントする能力」です。高いソーシャルスキルを持つ人は、広いネットワーク力を元手に変化をリードできます。

EQが注目される背景

従来、「感情」は表に出すべきものでななく、押さえ込んだり無視したりすべきものとされてきました。しかし、現在では企業の人材育成や研修部門担当者の間で広く認知される考え方となり、ビジネスパーソンに欠かせない能力として高い知名度を獲得しています。

最近では、人事や採用場面だけでなく教育や医療分野でもEQが注目されており、いじめや自殺などの社会的な問題や健康管理の場面での活用も期待されています。

書籍『EQ~こころの知能指数』とは

EQ〜こころの知能指数

ダニエル・ゴールマン氏の説くEQの基本的な概念が理解できたところで、ここでは書籍『EQ こころの知能指数』の詳細を解説します。著者の経歴を交えながら、書籍のポイントを紐解いていきましょう。

著者ダニエル・ゴールマン氏の経歴

ダニエル・ゴールマン(Daniel Goleman)氏は、1946年にアメリカ(カリフォルニア州ストックトン)で生まれた心理学者です。

アルフレッド・スローン財団の奨学金を得て、マサチューセッツ州の名門大学アマースト大学の人類学を専攻(1968年に優秀な成績で卒業)。その後、フォード財団の奨学金を得てハーバード大学の大学院に進学し、心理学研究者として著名なデイビッド C. マクレランド教授のもとで臨床心理学を研究しました(1974年にPh.D.授与)。

Ph.D.取得後は、ニューヨークタイムズ紙に行動心理学に関するコラムを頻繁に掲載。現在においても、EQに関する研修や評価にかかわる機関の責任者として活躍しています。

『EQ~こころの知能指数』の目次

『EQ〜こころの知能指数』は、5つのセクションで構成されており、EQに関する基本的な側面から応用的な内容までが網羅されています。具体的な目次は、次の通りです。

第1部 情動の脳

第2部 EQ―こころの知能指数

第3部 EQ応用編

第4部 EQは教育できる

第5部 情動の知性

(引用:EQ こころの知能指数

1部から2部は、人間の脳と感情との関係性や、EQの基本的な概念についての解説です。3部からは、応用的なEQのあり方や能力の高め方など、発展的な内容が書かれています。

『EQ~こころの知能指数』の要約

この本は、IQだけで人間の能力を測定することへのアンチテーゼから生まれた本です。IQ偏重で歪んだ社会の病理を明らかにし、「本当の頭のよさとは何か」をわかりやすく説いています。本著で要点となるポイントは、主に次の3つです。

  1. EQが高い人は自分の気持ちを自覚し、他者の気持ちを推察できる。また、あらゆる才能を活用し、仕事で高いパフォーマンスを発揮できる。
  2. EQが高い人は自身の情動を理解・管理・活用し、相手の情動に共感できる。EQを伸ばせると、人間関係をうまく処理する力(組織力・交渉力・連携力・分析力)もアップする。
  3. 情動調律のプロセス(共感)は自己効力感につながるため、EQアップにも寄与する。批判や断定をせず、他者が抱く感情の理解をサポートすると、情動反応は学習できる。

EQは教育によって高められる能力です。自分の感情を自覚し、うまくコントロールできれば、感情知性のポテンシャルが開花し、より良い人生が送れると説いています。

EQが高い人が得られるメリット

EQが高い人が得られるメリット

著書『EQ〜こころの知能指数』で示唆されている内容をベースに、EQが高い人が得られるメリットについて解説します。ご自身の状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。

健全な自信が得られる

EQが高い人は、自己認識能力に長けているため、自分の強さと限界をわきまえています。気持ちが周囲にどう影響するかをしっかり認識しているため、最良の言動を直感的に選択することが可能です。

また、改善すべき部分は潔く認め、他者から学べる素直さもあります。建設的批判はむしろ歓迎すべきだと前向きに受け止められる点も特徴的です。自分の長所に対して健全な自信を持てるようになり、難課題にも進んで取り組めるようになります。

自分の運命をコントロールできる

EQを高く保てると、心の中から生まれるネガティブな感情や破滅的な衝動をコントロールし、有益な方向に向けられます。困難な状況でも平静を保ち、適切な判断をするうえでEQは必要不可欠な能力です。

自分の運命をコントロールしようとする意志が持てるため、自分からチャンスをつかむために積極的な行動ができます。将来の可能性を広げるために、イノベーションを起こすことも厭わないため、組織や人材をより良い方向に導くことが可能です。

卓越したリーダーになれる

高いEQを持てるようになると、組織に活気をもたらし、部下の能力が最大限に活かせるような働きかけができます。一般的に、組織風土はリーダーシップの影響を受けますが、EQが高いレベルにあると、メンバー間の情報共有や信頼感、生産性アップが可能です。

また、実効性の高いストラテジーが醸成されやすくなります。したがって、組織のトップや管理職がより優れたチームマネジメントを望む場合は、EQをベースにした自己変革が重要です。

EQを高める方法

EQを高める方法

EQはIQとは異なり、教育によって後天的に伸ばせる能力です。ここでは、EQを高める代表的な方法を解説します。

自分のEQの数値を測定する

EQは複雑な要素によって成り立っています。したがって、EQを高めるには、そもそもご自身のEQの現状を把握することがポイントです

EQを調べられる検査は数多く存在しますが、効果的にEQを高めるには、EQの構成要素や能力ごとに細かく調べられる検査を選ぶと、ご自身の不足している項目を的確に伸ばせます。

例えば、弊社の提供しているEQGWというEQ検査サービスでは、感情をまず3つのスケールに分類し、その後さらに8つのスタイルに分類してご自身の特性を分析できます。感情リテラシーや自己パターン認識・内発的なモチベーションなど、ご自身のEQの現状が詳細かつ正確にわかり、活かすべき行動特性と克服すべき課題をはっきりさせることが可能です。

マインドエクササイズを取り入れる

マインドフルネス(瞑想)は、EQを高めるうえで効果的です。ダニエル・ゴールマン氏自身も、インドやスリランカに滞在し、アジア特有の瞑想の研究した経歴があります。

次から紹介する2つのマインドフルネスのやり方は、ダニエル・ゴールマン氏が提唱しているわけではありませんが、一般的におこなわれている瞑想法です。瞑想の方法に興味のある方は、お役立てください。

  • 呼吸を整える瞑想法

腹式呼吸による深い呼吸を、1日10分ほどおこないます。雑念を取り払い、呼吸に集中してください。

  • 音に意識を集中させる瞑想法

音に耳を澄ませながらおこないます。まずは一つの音に集中し、慣れてきたら10秒ごとで次々と切り替えます。

最後は、複数の音すべてを同時に聴くように意識してみましょう。特別な音源を使用する必要はなく、公園で声や風や水などの音を意識的にひろったり、家でテレビやラジオなどを聞いたりしながらやってみましょう。

EQの研修を受ける

EQの検査や取り組みは、独学ではなくコンサルティングと併用しておこなうと効果的です。EQの検査を受けたり独学でマインドフルネスをしたりしても、「自分のやり方で本当に合っているのか?」「適切に学びを活用できているのか?」と不安になる方も多いでしょう。

そこで、研修に参加して講師やグループメンバーと一緒に知識を深められると、自信を持って知識や学びを職場や日常生活で活用いただけます。弊社が実施しているEQの研修やサービス内容は、「管理職向け・新人社員向けEQ研修・コーチングの「EQGW」で詳しく解説しています。興味のある方はぜひチェックしてみてください。

『EQ~こころの知能指数』と一緒に読みたいおすすめの本

『EQ〜こころの知能指数』以外にも、ダニエル・ゴールマン氏はEQに関する著作を数多く残しています。この章では邦訳されている代表作を3冊紹介します。

おすすめ①:心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明

心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明

脳波を測定しながら科学的に瞑想の効果を証明している本です。瞑想の種類や時間の長さによって、どのくらい効果に違いが生じるかについて説いています。

ただし、瞑想そのものの解説はされていないため、瞑想の具体的な方法は理解できていて、「瞑想とEQの関係性」や「瞑想の概念自体」をさらに知りたい人におすすめです。

おすすめ②:EQリーダーシップ 成功する人の「こころの知能指数」の活かし方

EQリーダーシップ 成功する人の「こころの知能指数」の活かし方

3,800人の企業幹部への調査結果をもとに、成功者たちどのように人の「感情」を利用し、組織を勝利に導いたのかが分析されている本です。リーダーに必要な力は何なのかを、EQの領域や人の感情、さらには企業文化などをまじえながら解説しています。EQをベースにしたリーダーシップについて学びたい人におすすめです。

おすすめ③:フォーカス

フォーカス

脳の機能に焦点を当てながら「集中力」のさまざまな側面にについて言及している本です。リーダーになるには知性だけではなく共感能力が重要となるため、漠然と練習するのではなく意識的な練習が重要であると説いています。マインドフルネスについてある程度理解しており、さらに実例を交えてその効力を知りたい人におすすめです。

まとめ

ハート型の雲

ダニエル・ゴールマン氏の著書『EQ〜こころの知能指数』を元に、EQの基本的な概念や能力のメリットなどを解説しました。要点は次の通りです。

  • ダニエル・ゴールマン氏の定義するEQは「自分と他人の感情を認識し、モチベートし、自己の内面と人間関係の両方の側面から自分の感情をコントロールする能力」。
  • EQは「自己認識」「自己抑制」「共感性」「動機付け」「ソーシャルスキル」の5つから構成されており、5要素のバランスのよい人は仕事で高いパフォーマンスを発揮できる。
  • EQが高いと、卓越したリーダーになれ、自分に健全な自信が持て、自分の運命をより良い方向にコントロールできる。

EQは、「教育により大人になってからでも高められる能力である」と科学的にも実証されています。弊社が提供するEQGWは、EQ検査とコンサルティングを併用してEQアップが図れるサービスです。サービス内容についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。