IQとEQには、それぞれ異なる特徴があります。では、IQとEQが両方高い人にはどのような傾向があるのでしょうか?
本記事は、IQとEQそれぞれの特徴を交えながら、両方の能力が高い人物の特徴を解説します。IQとEQのどちらの能力も高い人の特徴が知りたい人は、ぜひ読んでみてください。
目次
IQとは「考える知性」
IQとは、「Intelligence Quotient」の頭文字を取った略です。日本語では「知能指数」と言います。IQは「考える知性」とも呼ばれており、思考力や記憶力などの学習面で有益な知能です。精神年齢から歴年齢を割り、100倍した数で算出されます。
IQが高い人の特徴
知能指数は100が基準値とされており、110以上だと高IQです。120〜129が優秀、130以上は極めて優秀とされており、先天的な才能を持った人は「ギフテッド」とも呼ばれます。
論理的で会話がわかりやすい
IQが高い人は、会話の内容と自分の感情を区別できるため、会話が論理的でわかりやすい点が特徴的です。また、一時的な感情に流されずに論理的な説明ができ、相手に伝えたい内容を的確に伝えられます。
ただし、あくまで「真実を伝える」という姿勢を重視しているため、相手の感情に寄り添うような感覚的な話し方や共感的な理解は苦手です。
本質をすぐ見極められる
IQが高い人は情報処理能力が高く理解力が優れているため、本質をすぐに見極められる点が特徴的です。仕事のやり方や勉強など、一度聞いただけで何が一番大切か論理的に思考できます。
瞬時に優先順位をつけて作業ができ、新しい仕事が入ってきても頭をフル回転させて素早い処理が可能です。
記憶力が高い
IQが高い人は、1度教えられた内容は2度と聞き返さないほど記憶力が高い点が特徴的です。物事の構造を瞬時に分析できるため、人の話や仕事のやり方もすぐに記憶に定着します。
また、記憶力の高い人はズバ抜けた集中力を持っている場合も多いです。近年の研究では集中力と記憶力との関連性も示唆されています。
IQが低い人の特徴
90より低い知能指数はIQが低い人です。平均値は90〜109とされているため、90に満たない人はIQが低いとされます。IQが低い人が持つ特徴は、次の通りです。
自己評価が高い
IQが低い人は健全な自己評価ができないため、自分の適性を正しく判断できない点が特徴的です。自己評価と他者評価に大きなギャップがあるとも言い換えられます。
自分の能力への過信による物事への妥協が、最後の詰めの甘さやミス、取りこぼしなどを生じさせる一因です。
人を信用しない
IQが低い人は他者への懐疑心が強いため、人を信用しない点が特徴的です。「周りは自分を貶めようとしている」「騙そうとしている」と、いつも何かしら敵意を抱いています。
適切なやり方やアドバイスを周囲がしても、素直に受け入れられません。特に、騙された経験がなくても、自分のやり方に口を出してきた人は全員、「自分の幸せや成功を阻もうとする人」とみなす傾向にあります。
会話が苦手
IQが低い人は、自分の言いたい内容を相手に伝えるのが苦手な点が特徴的です。スムーズな会話は、相手の言いたい内容や考えを瞬時に理解し、自分の言葉にして伝える必要があります。
この作業は、人間が思っている以上に高度な知能が必要です。自分の言いたい内容が相手に伝わらないと、イライラしたりストレスを感じたりする原因にもなります。
柔軟性に乏しい
IQが低い人は、状況に応じて臨機応変に対応できないことが特徴的です。決められた物事は確実に守れますが、突発的なトラブルや予定の変更などに柔軟に対応できません。
あくまでもマニュアル通りにしか動けないため、「この状況ではこのやり方の方が良い」という考えは難しいからです。突発的な状況判断を瞬時にできないため、パニックになってしまいます。
自慢が多い
IQが低い人は、自分の能力に関連した自慢が多い点が特徴的です。この特徴は、「自己評価が高い」という項目にも関連しています。
「高価な車を乗っている」といった、物質的な自慢ではなく、「プレゼンテーションが上司から高評価だった。昇進間違いなしと言われた。」というような、「自分が誰かに褒められた事実」を大げさに自慢します。
EQとは「感じる知性」
EQとは、「Emotional Intelligence Quotient」の頭文字を取った略です。日本語では「感情知性」と言います。「感じる知性」とも呼ばれており、共感力やコミュニケーション力などが必要なビジネス場面において有益な知能です。
EQの研究はまだ発展段階にあり、研究者や研究分野ごとに尺度が決められ、指数の算出がされています。
EQが高い人の特徴
EQの高い人は、自分や他人の感情を的確に理解し、より良い形で表出できます。EQが高い人が持つ代表的な特徴をお伝えしていきましょう。
批判にも冷静
EQが高い人は欠点も含めて正当に自己評価ができるため、批判にも冷静な点が特徴的です。そもそも自己認識力が高いため、過度に感情的になりません。
問題の本質的な部分に目を向け、批判を受けた問題を客観的に分析して解決しようとします。「批判がチームにどのような影響を与えるか」「どうすれば問題をより良い方向に導けるか」といった前向きな対処への材料とするからです。
偏見を持たない
EQが高い人は、物事に対して寛大な心を持っており、偏見がない点が特徴的です。自分の価値観だけで物事を判断しないため、他人の新しいアイディアをできるだけ受け入れたいと思っています。
一方的に自分の考えを述べるわけでもなく、盲目に他者に従うのでもありません。自分と他者をうまく活かしながら人々を助ける能力に長けています。
傾聴力が高い
EQが高い人は、他人の話にしっかりと耳を傾けられる点が特徴的です。事実と解釈を正しく理解して話が聞けるため、自分の価値観で他者の気持ちを潰したり、他者の気持ちに流されて事実を見失ったりすることがありません。
感情と事実を切り離し、開かれた心で相手の言葉に耳を傾けられます。
ミスを素直に認める
EQが高い人は、自分が間違っていると気づいた際に素直にミスを認める点が特徴的です。自分の正当性をムリに主張したり、他者の過去の間違いを引き合いに出したりはしません。
言い訳を探すのは、チームを適切な方向に導くうえで時間のムダだからです。正直かつ簡潔に謝罪をし、迅速に軌道修正をします。
真摯
EQが高い人は、厳しい物事に関しても、包み隠さず真摯に相手に伝えることが特徴的です。他者を傷つけず自分の意見をしっかり伝えるアサーティブなコミュニケーションに長けているため、厳しいメッセージや不都合な事実の伝達を先延ばしにしたり、なかったことにしたりしません。
EQが低い人の特徴
一方で、EQが低い人にも、一定の傾向があるとされています。EQが低い人が持つ代表的な特徴を解説していきましょう。
感情的になりやすい
EQが低い人は、喜怒哀楽が激しく自分の感情を理性的に抑えられないことが特徴的です。自分の欲求を満たすために怒鳴ったり物にあたったりします。
周囲にどれくらい迷惑をかけているかがわからないため、人付き合いや仕事が円滑にいかなくなるケースも多いようです。目の前のことしか見えておらず、将来どうなるかの想像力が欠如している傾向にあります。
常識やルールを理解できない
EQが低い人は、周囲の状況を客観視できないため、常識や社会一般のルールが理解できないことが特徴的です。自分中心でしか物事を判断できないため、他人の気持ちや立場よりも自分の価値観やプライドを優先させます。
「自分の振る舞いが悪い影響を与えている」という自覚がまったくなく、周囲からは「空気の読めない人」「自分勝手な人」と思われる場合が多いようです。
言動が自己中心的
IQが低い人は、他人への共感性が乏しいため、自己中心的な言動しかできないことが特徴的です。相手の話は聞かずに、自分の話だけ長々と続けたり、自分さえ良ければ良いというスタンスであるため、相手の立場になって行動したり言葉をかけたりができません。
何を言ったり、行ったりしたら相手がイヤな気持ちなるのか想像できないため、他者のミスや欠点に対して、執拗に責めたてます。
IQとEQが両方高い人の特徴
EQは、IQよりも非認知能力を数値化したものです。そして、IQが平均レベルだとしても、社会的な成功はEQの能力の方が影響力は強いとされています。
最近の研究では、IQにEQの高さが加味されないと正確な結果が算出できないとまで言われており、IQとEQの相互的な理解が重要です。ここでは、IQとEQが両方高い人が持つ代表的な特徴を解説します。
共感力が高いが執着しない
IQとEQが両方高い人は、共感力が高いけれど他者に依存したりベタベタしたりしないことが特徴的です。「他人とのコミュニケーションを通して自分の世界を広げたい」という好奇心は高い一方で、自分と他人とは違うという区別ができます。感情と論理性とのバランスが良く、他者と心地良い関係性を築くことが得意です。
頭がよいのに謙虚
IQとEQが両方高い人は、知的でありながら謙虚な心があることが特徴的です。モチベーションが高く、さらに自分を高めたいという意識があります。
自分にはない他者の良い面をすぐに見つけられ、自分も見習いたいと思っている人です。
エゴやコンプレックスが感じられない
IQとEQが両方高い人は、あらゆる言動にエゴイスティックな動機やコンプレックスが感じられないことが特徴的です。自分を良く理解しているため、中立的な立場での価値判断ができます。
過度に卑屈になるわけでも尊大になるわけでもなく、的確なコミュニケーションが可能です。
どんな人にもフラット
IQとEQが両方高い人は、言動にムダがなく、どんな人にもフラットに接することが特徴的です。損得で態度を変えたり、感情に影響を受けたりしないため、どんなときでも平常心で対応できます。
どんなときでも安心して相談したり話しかけたりができるため、周りから高い信頼が得られる人です。
ユーモアがある
IQとEQが両方高い人は、ユーモア性に富んでおり、子どものように無邪気な点が特徴的です。ミスや不運が生じてもユーモアで乗り越えられる精神的な強さがあります。
子どものように無邪気で透き通った心を持っており、固定観念にとらわれない解釈できる人です。今までにはなかったようなイノベーションを生み出すアイディアを持っています。
ビジネスで成功している
IQとEQが両方高い人は、主にビジネスにおいて社会的な成功を掴んでいることが特徴的です。自分と他者の感情を的確に理解できているため、生産性を高めながら優れたリーダーシップを発揮でき、非認知的な能力と認知的な能力のバランスが良い傾向にあります。
まとめ
IQは思考力や記憶力など、学習面で有益な知性です。一方、EQは共感力やコミュニケーション力など、ビジネス場面で有益な知性とされています。IQとEQの両方高い人は、社会的な成功をつかみやすい傾向にあります。
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