EQが高い人の特徴とは?高める方法とメリット

ひらめき EQを学ぶ

EQが高い人はどのような特徴を持つのでしょうか?IQと同様、EQは知能の優秀さを測る指数として広く知られています。社会的な成功に焦点を絞った場合、EQはIQよりも重要な資質であることをご存知でしょうか?

「以前、EQテストをしたが結果が良くなかった」「職場でうまくいかないのはEQが低いせいかも?」この記事では、こういったお悩み・疑問に答えるため、EQが高い人の特徴や高いことによって得られるメリット、成人後にEQを鍛える方法について解説していきます。

EQとは

EQとは

EQとは「Emotional Intelligence Quotient」の略称で、日本語では「感情知能」と翻訳されています。自分の感情をコントロールし、他者の感情を理解するための知能を表します。

EQの基本的な概念は、1980年代後半にアメリカの社会心理学者ピーター・サロベイ氏とジョン・メイヤー氏が行った「Emotional Intelligence(社会的知性)」の研究に基づいています。その後の研究で、EQが社会的成功に関与することが定説となり、アメリカの起業家やビジネスマンを中心に話題となりました。

現在では、組織における優秀なリーダーの資質として広く認識されています。EQはビジネスの領域以外においても、家族間、友人間などで良好な人間関係を築くために必要な能力です。

EQが高い人が持つ6つの特徴

6つのポイント

EQが高い人は、自他問わず感情の取り扱いに長けています。EQが高い人の優れた特徴や資質について、大きく6つに分けて説明します。

自分を客観視できる

EQが高い人は、自分の感情を客観的に理解できるため常に冷静です。例えば、マネージメントスキルとして重要視される「アンガーマネジメント」もEQが高い人の得意とする分野です。

  • 今自分は怒りを感じている
  • 怒りの程度はどのくらいか
  • なぜ怒りを感じているのか

このように怒りを段階に分けて識別するため、感情的になることなく原因に対し冷静に対処できます。不用意に怒りを爆発させ、不利益を被ることは少ないでしょう。

感情だけではなく、自分の価値や能力も客観的に把握しています。そのため、的はずれな批判や中傷に動じることはありません。一方で、相手の批判に正当を感じれば、有益な意見として取り入れる柔軟さを合わせ持っています。

衝動を制御できる

EQが高い人は、自分が抱く衝動をうまく制御することができます。衝動の制御は「強い感情を抱かない」という意味ではありません。抱いた感情を俯瞰し、制御できる状態に調整する能力です。

常に「行動」が「感情」より優位な状況を保てるため、短期的な快楽よりも長期的に得られるメリットを優先する意志力の強さを併せ持ちます。つまり、勉強やトレーニングなど地道な努力の継続が可能です。

ネガティブな感情の制御も得意です。気持ちの乱れを感知し調整するすべを知っているため、緊張や不安などの感情に動じることなく安定したパフォーマンスを発揮します。

聞き上手である

EQが高い人は、人の話を聞く能力「傾聴力」に優れています。相手の話すペースを自然と理解するため、適度な反応や相づちを挟みながら、相手に気持ちよく話をさせることが得意です。不用意な質問で話に割り込んだり、話の主導権を奪ったりして相手を不快にさせることはありません。

EQが高い人は他人の話を聞くことを好む傾向にあり、興味の無い話題から楽しめるポイントを自ら見出します。話の内容だけではなく背景や感情を共有し、相手をより深く理解しようと考えます。

話し手も、「聞いてもらえて良かった」「会話が盛り上がった」と感じることが多いでしょう。優れた理解力を持つため、話下手な人の話からも要点をつかみ取り、ときにはリードするように発言を促すこともできます。

共感能力に優れている

EQが高い人は洞察力が高く、優れた共感能力を発揮します。共感能力は、言い換えれば空気を読む力です。周囲のモチベーションを高めたりポジティブな雰囲気へ導いたり、集団に良い影響を与える能力と言えます。

相手の感情を理解し共感する能力は、人を思いやる優しさも同時に育みます。EQが高い人が親切で、率先して人助けができるのはそのためです。裏表のない優しさは周囲からの信頼を集め、豊かな人間関係の構築につながります。

EQが高い人が良い家族や友人に恵まれ充実した人生を過ごすのは、共感能力の高さが大きく影響しています。

モチベーションの自己管理ができる

EQが高い人の持つ優れた資質の一つに、モチベーションを自己管理できる点が挙げられます。自己管理能力は、ビジネス・プライベートを問わず充実した人生を送る上で重要な資質です。

毎日モチベーションを維持し続けることは容易ではありませんが、EQが高い人は自分のやる気を高める術を自然に理解しています。気分や体調に影響されることなく、常に安定したモチベーションで仕事に取り組める点が強みです。

EQが高い人は、失敗やトラブルで不測の事態が起きた場合でも、不安や焦りなどを最小限に留められる点でも優れています。ネガティブな感情によってパフォーマンスが極端に下がることはありません。不測の事態を自己成長につながるポジティブな材料として受け入れるため、モチベーションを下げることなく障害に対応できる点で優れています。

公平にふるまい自らの誤りを認められる

公平なふるまいも、EQが高い人の持つ優れた特徴です。起きた問題やトラブルに対し、相手の意見を尊重したうえで根拠に基づいた指摘ができます。

重要なことは、他人の間違いを責めるのではなく、問題の解決を目的として行動する点です。EQが高い人は、他人への過度な糾弾が時間の浪費であること、責められた側が悪感情を抱くことのデメリットを自然に理解しているからです。

同様に、自らの誤りに気づけは、真摯に受け止め素直に謝罪することができます。自己認識能力が高いため他人からの批判にも強く、批判をポジティブなものとして受け止めることができます。間違ったことへの釈明や保身よりも、問題の解決や改善を優先できる合理的な資質と言えます。

EQが高いことのメリット

EQが高いことで社会的に得られるメリットはさまざまです。代表的なメリットについて紹介しましょう。

ビジネスで成功する可能性が高い

元々、EQは優れたビジネスマンやリーダーの資質を測る指標として社会に浸透した経緯があります。EQが注目される以前、「社会的な成功にはIQ(Intelligence Quotient、知能指数)に大きく影響する」という考え方が定説でした。

しかし、研究や検証が進むに従い、IQの高さと社会的成功の相関性が薄いことがわかりました。現在では、「社会的成功に必要な能力」=「学歴や知能が2割、対人関係能力が8割」と結論づけられています。

EQが高い人は有効な対人関係の形成に優れているため、社内・社外問わず人脈形成を得意とします。共感力の高さはチームマネジメント、傾聴力の高さは、営業や折衝業務でも発揮されるスキルです。

アメリカの研究者がEQテストの結果と年収の相関関係を調査したところ、EQが高い人はEQの低い人に比べ、平均して29,000ドルも年収が高い結果が得られました。EQは、社会的な成功に直結する最も重要な資質だと言えます。

仕事とプライベートのバランスを取りやすい

EQが高い人は感情によって行動を制限されることがありません。仕事がどんなに忙しくても、難解な案件を抱えていても、プライベートな場面では気持ちを切り替えることができます。仕事の愚痴や不満を家庭に持ち込まないため、家族との良好な関係も保ちやすいと言えます。

仕事へのプレッシャーや不安に引きずられて休日を楽しめないこともありません。EQが高い人は息抜きがうまく、ストレスやフラストレーションを上手に発散することができます。オン・オフの切り替えが明確で、仕事とプライベートのバランスを取りやすい点で優れています。

逆境に強い

EQが高い人は、一般的なEQの人よりも挫折からの回復が早い傾向にあります。理由は大きく分けて2つあります。

一つは、感情や状況に対する分析能力に長けているためです。逆境に陥った場合でも、感情の乱れによって長時間落ち込むことはなく、「どうすればこの状況を打開できるか」と次の施策を考えるポジティブ思考が身についています。

もう一つは、人望の厚さです。EQが高い人は他人から好かれることが多く、友好的な対人関係を広く構築します。周囲の協力も得やすいため、逆境に陥った場面でも手を差し伸べてくれる人は多いでしょう。

立ち直りの早さと周囲からの助力によって、人生のピンチを切り抜ける才能を持っています。

EQが高い人に学ぶEQの鍛え方

芽が出てきたところ

前章で紹介をしたEQが高い人の特長を見て「私はEQが低いかもしれない」と感じた方がいるかもしれません。実は、EQは後天的に高められることがわかっています。成人後にEQを育てる方法について紹介します。

EQは幼少時から徐々に形成される

EQのベースが何歳までに形成されるかについては、いくつかの議論がなされています。基本的には生後から幼少期(0歳~5歳)、もしくは学童期(6歳~11歳)頃までの家庭環境や教育が重要です。

高いEQを育むためには、次のような子育てが有効と考えられています。

  • 子供の意見や考えを頭ごなしに否定せず、まずは受け入れる
  • ほめ方、叱り方が矛盾しないようにルールを設け、叱った場合は理由も説明する
  • 疑問に対して、答えではなく解決方法を教えて自主性を高める
  • 宿題は勉強をさせる場合、指示するのではなく共に取り組む姿勢で行う
  • 子供が何かに夢中に取り組んでいる場合は、積極的にサポートする
  • 一日の出来事の話し合いや絵本の読み聞かせやなど、スキンシップを大事にする

EQは後天的に鍛えられますが、幼少期から意識して伸ばせば子供にとって大きなアドバンテージです。現在子育て中の方は、ぜひ取り入れてみてください。

EQは成人後も鍛えられる

成人後ほとんど成長しないIQとは異なり、EQは努力による鍛錬が可能です。EQの基本的な鍛え方は、大まかに分けて2つの方法に分類されます。

一つは、自分の感情の分析です。発現する前の感情を理解するのは難しいため、まずは感情が動いた直後に自分を見つめる習慣をつけましょう。

  • 天気が良いから今日は朝から機嫌が良いな
  • あ、今の一言カチンときたな

など、客観的に観察することが最初のステップです。

感情の動きがわかるようになってきたら、次は自分が発言した言葉で感情を動かす訓練をします。朝、職場の同僚に笑顔で挨拶したり、「ありがとう」の回数を増やしたりと、ポジティブな発言により感情の変化を実感するトレーニングが効果的です。

もう一つは、他人の感情への理解と共感です。直接対話する相手の表情の動きを読み取ったり、話の進行とテンションがどう連動するかなどを観察します。対話中が難しければ、第三者として他人同士の会話に耳を傾けてみましょう。

自分が抱く負の感情を認識する

成人後にEQを鍛えるためには、自分の感情、特に「負の感情」への認識と理解が最も重要です。行動に影響の出やすい「怒り」や「不安」について解説します。

強い怒りを感じた場合、怒りを言葉や態度として放出する前に、6秒間のインターバルを設ける習慣を身につけましょう。人の怒りはおおよそ6秒前後でピークを迎えると言われています。強い怒りを感じたら、その場を離れて一人になり、深呼吸を繰り返して感情を抑え込みます。

感情をコントロールできるまで落ち着かせたら、次は自己分析です。「なぜ強い怒りを感じたか」「瞬間的な怒りか、過去の蓄積による怒りか」「主な原因は自分と相手のどちらにあるのか」など、感情について考察します。

不安な感情についても、怒りと同様認識と考察が重要です。例えば、数日後の大きな商談が気になって他の業務に手がつかないとします。このような場合、漠然とした不安の原因を具体的します。

  • 資料に自信がないから不安に感じている
  • 大勢の前で話すことに緊張している
  • 商談が失敗した場合のリスクを恐れている

このように原因を箇条書きにするだけで、感情の大きさを可視化できます。原因を羅列しただけで根本の解決には至っていませんが、人間の感情は不思議なもので不安な感情が収まります。負の感情を客観的に認識するトレーニングは、EQを育てる上で効果的な方法です。

望まないことは断る

EQを高めるためには感情を理解しコントロールするだけではなく、負の感情の要因となるものを遠ざけることも有効です。感情の認識が習慣として身についてくると、自分が特定の場面や特定の人との会話で負の感情を抱いている状況に気がつくかもしれません。

EQが高い人の特長である冷静さを身に着けるためには、感情に悪影響を与えるものに関与しない判断も必要になります。メリットとデメリットを比較し、デメリットが大きいようなら他人の要求を断る選択肢を選んでみましょう。

断る場合の口調や態度も重要です。相手の感情を損なわず、理解を求めながら断ることがEQを鍛える訓練になります。

他人に興味を持つ

相手が何を言っているかに注目し、聞く姿勢を育てます。話の内容だけではなく、相手の表情やしぐさなど、ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)にも気を配りながら話を聞く習慣を身につけましょう

重要なのは、相手に興味を持ち、相手の話を楽しむ姿勢です。コミュニケーションを楽しむことで、相手の立場に共感しながら聞く力が鍛えられます。

まとめ

EQが高い人が持つ感情に関する資質や、成人後にEQを鍛える方法について解説しました。要点は次のとおりです。

  • EQが高い人は自分の感情をコントロールできる冷静さと、他人の感情に寄り添う共感力を併せ持つ
  • EQが高い人は社会的な成功を得やすく、プライベートも充実している傾向が高い
  • 大人になってからEQを成長させるためには、「自分の感情の把握」と「他人を理解する姿勢」が重要である

EQを鍛える工夫は難しくはありませんが、毎日の積み重ねを必要とします。EQへの理解を深めより良い人生を送るきっかけとなれば幸いです。