1200EQが高い人がビジネスで成功を上げる例は多く、自分だけではなく組織全体のチーム力を底上げする存在として、今や企業のリーダーとしても欠かせない人材です。
しかし、どのようにトレーニングすればEQを高めることができるのでしょうか?今回は、EQが高い人の特徴や、EQを高めてーリーダーになるために気をつけたいことについて解説しています。
目次
EQとは?社会で活躍するために求められる能力
「EQ」とは「感情の知能指数」と呼ばれる概念です。自分の感情を知覚し、コントロールして、成功を収める能力として注目を集めています。
社会で活躍しているのは、有名大学を卒業したいわゆる「IQの高い人」だけではありません。優れた知能を持っているだけでは、仕事で大きな成果を上げることはできないのです。
それに対して、自分の感情と向き合ったり、周りの人の立場に立って物事を考えたりすることができる「EQの高い人」は、ビジネスシーンにおいても組織をけん引し、成功に導くケースが少なくありません。頭が良い人だけの集団では業績アップにつなげることはできず、EQの高い人が加わることが大切なのです。
相手の気持ちを察して行動できる
EQの高い人は、今相手がどのような気持ちでいるかを推測し、どんな風に進めていけば能力を発揮してもらえるかを考え、実践することができます。
仕事で努力を重ねている人を褒め、ミスをして落ち込んでいる人には励ましのことばをかけるなど、個人の感情を慮って鼓舞する声がけができる人がEQの高い人の特徴です。
感情をコントロールして良い人間関係を作る
EQの高い人は、自分の中に沸き立つ感情に踊らされません。その感情が何によって発生したものかを考えて、自分の感情と行動をコントロールします。
感情的になったときの行動は、信頼関係にヒビを入れたり、誤解を生みだしたり、後になって振り返ると後悔することも多いものです。腹が立ったときに自分を俯瞰して見ることで、いったい自分の中のどんな感情がそうした気持ちを起こさせているのかを把握することができるでしょう。
リーダーに必要
組織のリーダーは、高いEQを持っていると望ましいといえます。その理由は、チームワークの重要さを知っており、強いリーダーシップで組織の生産性のアップにつなげることができるからです。
良いリーダーになるには、一緒に働くメンバーの感情を理解し、褒めたり励ましたり、共に組織のために貢献できるよう、モチベーションを上げていく力が求められます。気配りがなかったり、周りの人の気持ちに鈍感だったりする人は、チーム力の向上に寄与することは難しいでしょう。
EQが高い人の特徴
EQが高い人には、共通した特徴があります。それらはすべて、自分や他者の感情に敏感であるからであり、人間関係や職場の雰囲気を向上させ、成功に導く礎となっていくものです。
自分の感情とうまく付き合える
EQの高い人は、自分の感情のもととなっているのがどのような出来事であるかを把握しています。
たとえば、今自分が感じている怒りは何が原因になっているのか、分析してみるとしましょう。同僚に、今回の失敗が自分のミスから起きたことだと指摘されたからです。
反射的に怒りの感情が湧きましたが、冷静になって考えれば、同僚は自分のために、あえて恨まれるような発言をしたのかもしれません。そう考えると、指摘は感謝すべきものでこそあれ、怒りを感じるのは筋違いに感じられます。
このように、感情の起きた元をたどり、そのあとに起こす行動を意識的に変えることができます。
失敗を恐れない
チャレンジを繰り返す人間に失敗はつきものです。どんなに注意しても、失敗することはあるでしょう。
しかし、EQの高い人は、起きてしまったことに時間を費やすのは無駄だと知っています。反省すべきところは反省し、失敗したことでくよくよせず、次の挑戦へと向かう強さを持っているのです。
批判を素直に受け入れ、常にオープンマインドなのもEQの高い人の特徴です。
思いやりを持って人と接する
EQの高い人は、仲間が困っていたら、時間を割いて助けることを厭いません。困っているときはお互いに助け合うことこそチームワークであり、良い人間関係なくして良い仕事はできないのです。
また、興味を持って相手の話を聞き、感情を同調させて最適なコミュニケーションを取る工夫ができます。相手の能力を最大限に引き出すためにも、積極的に人間関係を気づくことを惜しみません。
EQは鍛えて伸ばせる能力
EQについて理解し、自分の中でも育てることで、活躍できる社会人に大きく近づきます。自分にはその素養がないと感じる人もいるかもしれませんが、それは早計です。IQとは異なり、EQは後天的に伸ばすことができる能力といわれています。
後天的に高めることができる
「IQ」は持って生まれた能力であり、鍛えることは難しいといわれていますが、「EQ」は後天的に高めることができる能力です。IQの高い人が仕事の成功を収められるわけではありません。
成功者の多くがEQの高い人であるといわれており、ビジネスでの対人関係が成功に大きく関係しているといわれています。
普段から意識することで高められる
EQを高めるために、特別なことは必要ありません。自分の気持ちと向き合ったり、コミュニケーションを積極的に取ようにしたりするなど、日常生活の中に少しだけ練習を取り入れることで十分に高められるのです。
その結果、ヒューマンスキルがアップし、人間関係や仕事に良い影響をもたらすようになります。
ほんの少し自分の行動を変えるだけで変化が起こりますので、実践してみましょう。
EQを鍛える方法
ここまで、EQを高めることで人間関係を良くしたり、ビジネスで成果を上げやすくしたりすることについて解説してきました。
EQとは、どの世代であっても、高めることができる能力です。そこで、どのように気をつければEQを上げることができるのか、EQを鍛えて伸ばすための方法を紹介します。
積極的にコミュニケーションを取る
EQを高める第一歩として、自分から周囲に向かって積極的にコミュニケーションをとる習慣をつけましょう。
特に「挨拶」はコミュニケーションの基本です。挨拶は、「おはよう」だけでももちろん良いのですが、その後に何か付け加えてみることをおすすめします。
たとえば、前の日に観たテレビの話題などはいかがでしょうか?そこから、2人の間の会話が続いていきます。
お互いのことを知るためにも、コミュニケーションは積極的に取って行きましょう。
自分の感情の動きを観察する
自分の感情の流れを客観的に見つめるのは、EQを鍛えるときに大切なことです。感情は自然に湧き出るため、なすがままになっているケースがほとんどですが、実際には「起こったこと」と「その結果」です。
自分がなぜ今の感情を抱えているのかを観察すると、きっかけになった事象やパターンから、その解決方法が見えてきます。
相手に共感する
EQを高めるには、相手の話に耳を傾け、感情に共感することが大切です。相手の気持ちに共感するには、相手の立場に立って物事を考える必要があります。
言い換えれば、「思いやりを持って接する」ことでもあるため、EQの高い人は慕われ周囲には多くの人が集まる傾向にあるといえるでしょう。
怒りを感じたら5秒黙る
どんなにできた人間でも、抑えがたい感情は存在します。「怒り」がその一例に挙げられるでしょう。
怒りは一瞬で沸き上がる感情であり、コントロールすることは困難です。しかし、何か言ってしまいそうなところをぐっとこらえて、口を閉じ5秒黙ってみましょう。
怒りとは瞬間的に高まりますが、ある一点を超えるとふっとおさまり、冷静になれることが多いものです。そこをやり過ごすことで、自分らしさを取り戻し、公開するような行いを防ぐことができます。
「ノー」と言える
無理だと感じることに対して、はっきりと「ノー」を言えることも大切です。
感情をコントロールするためには、自分の感情を抑圧することはあまり好ましくありません。しかし、人が良いと自分の仕事もいっぱいいっぱいなのに、相手の気分を害するのを恐れて「良いですよ」なんて言ってしまうこともあるのではないでしょうか?
しかし、断ることは悪いことではありませんし、相手の気分を害する類のことでももちろんありません。もしも気になるようであれば「本当はお手伝いしたいのですが……」などと前置きをしてお断りするのも良いのではないでしょうか?
自分の感情を守り、無理を課さないためにも、断る勇気は常に持っておきましょう。
自分一人で過ごす時間を作る
今日はどんなことがあったか、どんなことを考えたかなど、自分の気持ちに問いかけることで、客観的になれます。人のことばに傷ついて相手に対してネガティブな感情を持っていたとしても、落ち着いて考えることで、原因を自分や相手に一方的に求めることがなくなります。
体を動かす
心と体は連動しています。身体を動かすことで気分転換することも大切なのです。
たとえば、落ち込んでいるときにジャンプやスキップをすると、強制的に気分が上向きになっていくといわれています。もちろん、ジャンプやスキップ以外でも、ダンスやストレッチなどの自分の好きな方法に変えても良いでしょう。
方法が何であれ、落ち込んだ気持ちを切り替えられる方法を知っていることが大切です。暗く落ち込むときは、身体を動かして楽しい気持ちを呼び起こしましょう。
EQを活用したリーダーシップの訓練
EQの高い人材は、組織でもチームをまとめるリーダーとして活躍し、企業の生産性を上げるカギとなります。
リーダーとは、チームのメンバーの感情に共感し、良い方向に導くよう、コントロールできる人材でなければなりません。EQの高い人材であれば、高い成果を上げられるでしょう。
EQは、先天的な要素で決まるものではなく、トレーニングで高められる能力です。ここでは、EQの高い人材にリーダーとしての活躍を求めるため、リーダーシップ習得のためにどのように働きかけるのかについて解説します。
自分の状況を把握する
リーダーシップをトレーニングするには、まず自分がどのような状況であるかを知るところから始まります。
リーダーになってもらいたい人材には、「自分にはどんな特性があり」「どんな部分が不足している要素なのか」を把握してもらうようにしましょう。
インターネット上にもEQを測定する「EQアセスメント」が複数あります。無料のツールもあるので、一度試してみるのも良いでしょう。
自分の感情のパターンを理解する
次に、自分の感情が起きるパターンについて理解します。
EQアセスメントの結果、良い行動を起こすために自分の感情をうまくコントロールする必要を感じた人材に、「その行動を起こした時の自分の感情」を思い出してもらいましょう。感情のパターンは行動のパターンと同じなので、「こんな感情が湧くとこんな行動をする」という一定の形があることに気づくはずです。
そこに気づき改善することで、その人材は感情に振り回されずに、これまでよりも良い行動を起こすことができるようになるでしょう。これが「感情のマネジメント」なのです。
リーダーとしての決定
感情のマネジメントに成功したら、リーダーの立場として積極的に、チーム力をアップするための行動を決めます。
たとえば、「メンバーを褒める」「一日の午前中の間に、必ずメンバー全員と会話をする」など簡単なもので構いません。
自分がリーダーとして接することが、メンバーの感情にも大きな働きかけをするということを自覚できるでしょう。
振り返り
ここまでの内容を実践したら、自分がリーダーとして振る舞うことにより、自分自身とメンバーにどのような変化を与えたかを振り返り検証しましょう。
良い影響を与えているようならば継続するべきですし、残念ながら良い結果が得られていない場合には、何がいけなかったのかを分析し、改善して行動を加えていきましょう。
まとめ
優れたリーダーシップを持ったビジネスパーソンであるためには、EQの高さは必須といえます。EQが高い人材は、自分の感情をコントロールして行動に反映することができるからです。
また、周囲の人間に対しても寄り添い、その人の立場になって考えることができるため、おのずと周りからも慕われます。そういった人材は多くの協力が得られるでしょう。
EQは先天的な能力ではなく、後天的に身につけることが可能です。そのために必要な人間関係や教育環境を整えることこそ、社会に出てから必要とされる人材を育てることができます。
優れた人材育成のためにも、EQを高めるための教育を導入してみてはいかがでしょうか?当社グロースウェルが提供している「EQGW」では、独自のEQ検査と高い専門性を持つコンサルタントがチームや個人に最適な方法でサポートします。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。