【2022】EQリーダーシップとは?6つのスタイルとメリット | EQバンク
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2024.11.30

コラム

【2024】EQリーダーシップとは?メリット・デメリットとEQとリーダーシップの関係を解説

EQリーダーシップ

EQとは、日本語では「こころの知能指数」と訳されている言葉で、自分の感情を適切にコントロールしたり、相手の感情を汲み取ったりする能力のことです。

今回は、EQの高い人が発揮する「EQ型リーダーシップ」について解説します。

EQとは

EQとは

EQとは、日本では「こころの知能指数」と呼ばれる非認知能力です。

1990年に、アメリカの心理学者である1999年にサロベイ氏とメイヤー氏によって論文となり、その後ダニエル・ゴールマン氏が手掛けた著作によって、世界中に広まりました。

自分の感情を理解しコントロールする能力

EQ(Emotional Intelligence Quotient)とは、状況に合わせて自分の感情をコントロールしたり、相手の感情を察し寄り添ったりする能力です。

EQの高い人は、相手の立場になって考えることができるため「気遣いのできる人」と理解され、良好な人間関係を構築します。また、自分の感情をコントロールできるため、ストレス耐性も高く、高いモチベーションを維持することが可能です。

そのため、EQの高い人材は、仕事でも人生でも良い結果を残すことができると考えられるようになりました。

後天的に伸ばすことが可能な能力

EQは、人間であれば多かれ少なかれ、誰もが持っている能力です。特に、幼少期に親や周りの人間から、ありのままの自分に対して無償の愛を与えられた経験が、高いEQの形成に重要といわれています。

また、先天的な要素が重要といわれている「頭の良さ」を表すIQ(Intelligence Quotient)とは異なり、どの年齢からもトレーニングによって伸ばすことが可能な能力と考えられています。

リーダーに求められる能力

EQの高い人材は、相手の気持ちに寄り添った行動ができることからも、リーダーには必須の能力といわれています。

上司から指示されたことをただ行うだけでは、部下の能力は成長しません。高いEQを持ったリーダーが、相手の気持ちを察してやる気を引き出し、自発的に取り組めるよう促すことが大切です。

そのような体験を重ねることで、個々が自ら考え、困難にも立ち向かえるような成長を遂げるのです。

EQとリーダーシップの関係

EQとリーダーシップの関係

リーダーシップは、組織のメンバーをまとめたり、組織に良い影響を与えたりする能力を指す言葉です。目標達成を目指したビジョンの提示や、メンバーのモチベーション維持が役割となります。

しかし、良い成果を上げるには、メンバーの感情に寄り添ったり、方向づけたりすることも必要です。だからこそ、相手の立場に立って考えることができる人材が、EQを利用したリーダーシップを発揮することで、組織をよりよくまとめて導くことができると考えられます。

優秀なリーダーとは

優秀なリーダーと言われる人材は、多くの共通する力を持っています。

たとえば、「雰囲気を醸成し、集団を導く能力を持つ力」がその一つです。多少困難な目標設定でも、メンバーを鼓舞し全体のモチベーションを向上させ、成功を掴もうとする雰囲気を醸成します。

もう一つは、「人の心を動かし、最高の力を引き出す力」です。相手を支配したり命令したりするのではなく、自分が為すべきことを相手に理解させ、能力と自発性を引き出します。

EQが高い人がリーダーに向いている理由

EQの高い人材が、リーダーに向いているのには、いくつかの理由があります。

一つ目は、「自分の感情を把握し、管理、調整できる」という点です。感情は、相手への態度や発言にも表れるものであり、時として相手を傷つけたり、怒らせたりしてしまうこともあります。特に怒りの感情は、思ったままに表現してしまうと、取り返しのつかないことにもなります。

そのため、今その感情を表現してよい状況かを考え、適切な表現に変えられる点は、リーダーとして重要なポイントです。

二つ目は、「他者の感情を察する」点です。相手が何を考えているかを深く推察することで、場面に応じた適切な声がけをすることが可能となります。

三つ目は、「感情をコントロールし、前向きな感情を生みだせる」点です。

困難な状況であっても、自分やメンバーを鼓舞し、力を合わせてやり遂げようとする雰囲気を醸成します。

そして最後に、「人間関係を良好にする」点です。相手を思いやるEQの高い人材は、周りの人からも「気遣いができる人」として好意を向けられます。ギスギスしない人間関係を構築することで、メンバーにとっても居心地の良い空間となり、一丸となって目標に向かうことができるでしょう。

EQ型リーダーシップのメリット

EQ型リーダーシップのメリット

「EQ型リーダーシップ」とは、組織の中の人間関係や、それぞれのモチベーションを把握し、目的達成のために感情を正しく導く能力です。実務面での改革ではなく、メンバーの感情に働きかけることで効果を期待するもので、ダニエル・ゴールマン氏が提唱しました。

EQ型リーダーシップには、次のようなメリットがあります。

自立心を育成する

EQ型のリーダーシップは、メンバーの自立心を育成に寄与します。

メンバーが組織内で意見しやすい環境を作るためには、上司から言われたとおりのことを行う「トップダウン型」よりも、自ら考えて行動する「ボトムアップ型」のリーダーシップが必要だからです。

可能性を引き出す

EQ型リーダーシップでは、メンバー個人の能力を発揮しやすい組織づくりが可能です。

組織の経営や成果ばかりを求めるのではなく、メンバーと信頼関係を築き、持っている感情を引き出して話し合います。メンバーの感情を引き出すためにも、EQの高いリーダーがメンターとなる必要があります。

モチベーションが醸成される

仕事に対して、感情面を重視してメンバーに関わることで、チーム全体のモチベーションアップが期待できます。そのためには、まずはリーダー自身が高いモチベーションを保っていることが重要です。

目標を論理や理想として持つのではなく、ワクワクする気持ちや達成したときの感動を想像するなど、感情のレベルでメンバーと共有するのが理想的といえるでしょう。

生産性が向上する

EQを重視したメンバーへの関わり方は、相手の自尊心や有用感を高め、チーム全体の生産性を向上させます。そのためには、リーダーがメンバーの優れた点や強みを把握し接し、それらが活かされたと実感できる仕事を任せることが大切です。

EQ型リーダーシップのデメリット

EQ型リーダーシップのデメリット

EQ型リーダーシップにはメリットが多い一方で、デメリットも存在します。

リーダー・メンバー間の信頼関係が必要

EQ型リーダーシップは、メンバーとの信頼関係が不可欠です。

たとえば、リーダーから「頑張れ」と言われた際に、メンバーがその言葉を「励まし」と前向きに捉えるか、それとも「プレッシャー」として捉えるかは、普段の関係性によるからです。

信頼関係は一朝一夕では築くことができず、長い時間が必要となることから、すぐに効果を得たいという場合には向いていないと言えるでしょう。

成果が見えるまでの時間が必要

EQ型リーダーシップを発揮するためには、まずはリーダー自身がEQを十分に理解し、高いEQを持っている必要があります。その前提がクリアされていても、リーダーがメンバー個々の弱みや強みなどを把握するには時間がかかるでしょう。

また、人力が裂けず、通常の業務を行いながらEQを活用しようとする場合には、機能が十分働かなかったり、効果の発揮までさらに時間を要したりすることもあります。

リーダーの人間性に左右される

EQ型リーダーシップは、リーダーの人間性に左右されると言っても良いでしょう。優れたリーダーシップを発揮するには、感情のコントロールする力や、相手の感情を推察する力など、さまざまな要素をバランスよく持っている必要があるからです。

また、リーダー自身も精神的な負担がある場合があります。

リーダーへの配慮が必要

組織の中心となって、責任を持ち運営するEQ型のリーダーは、精神的な摩耗が避けられません。

優秀であり、人の気持ちがわかるからこそ、葛藤やプレッシャーに押しつぶされそうになることがあります。そのような事態を避けるためにも、EQ型のリーダーは、普段からの自己管理が大切です。

そういった事態を避けるためにも、たとえば自分から「小休止の時間を持つこと」を意識するよう努めましょう。休めばその分、為すべきことができなくなりますが、長期的に見れば効率よく仕事をするためには重要な時間です。ためらわずに休息の時間を持つようにしましょう。

また、「カウンセリングを受けること」も大切です。自らの成功・失敗の経験にはバイアスがかかり、新たな発想や困難の突破の障害となることがあります。何かに取り組むときに、家族や友人、カウンセラーなどの第三者に相談することで、適切なアドバイスを受けることができるでしょう。

そして、「瞑想の時間を持つこと」も大切です。心配や不安、判断や評価を意図的に手放し、「今」に集中する瞑想を通し、自分の心と対話をすることで、自分の心を整えましょう。

EQ型リーダーシップと6つの型

EQ型リーダーシップと6つの型

リーダーシップは、リーダーとなる本人の資質だけではなく、周囲の環境との関係性により変化します。そのような環境下で発揮されるEQ型リーダーシップには、次の6つの型があります。

コーチ型

対話を通して、メンバーの長所や短所、強みや弱みなどを引き出し、一人ひとりの特性や希望から、行動目標の設定を助けるリーダーシップです。さらに組織のビジョンと結びつけることで、モチベーションをアップさせます。

長期に渡りコーチング可能な状況において、特に効果を発揮しますが、一対一での取り組みであることから、メンバーの数が多い場合には向いていません。

関係重視型

メンバーの感情や承認欲求を重視し、組織内の調和を重視するリーダーシップです。

業務での高いパフォーマンスに主軸を置くのではなく、組織の人間関係を強化したい場合や、壊れてしまった人間関係を作り直すときに向いています。

民主型

組織としての方向性をどのようにして行くのか、全体で決めるように促すリーダーシップです。メンバーからの提案を受けたり、全体で承認したりすることによってコンセンサスを形成します。

一人ひとりが思っていることを表現する機会が必要な場合や、決定したことを組織で共有する必要がある場合に発揮されます。リーダーへのリスペクト、メンバー同士の信頼関係が生まれやすく、自立心の向上も期待できます。

ペースセッター型

難易度の高い目標を設定し、リーダー自ら手本を示すリーダーシップです。スキルが高い組織に向いており、個人目標を課せられるポジションで機能しやすいと言えます。

組織全体のモチベーションが高い場合に有効であり、成功を収めることで、さらなる挑戦へと向かえるでしょう。ただし、リーダーに負担がかかりやすい手法であるため、ある程度の段階でメンバー自ら主導できるよう形を変えていく必要があります。

ビジョン型

ビジョン型とは、方向性を示すことで、部下の感情をポジティブな方へと導くリーダーシップです。組織が方向性を見失っている場合に特に有効となります。

組織全体のはっきりした共通目標を設定することで、どのように個人が関わり、責任を負うかなどなどの手法は個々に委ねる点が特徴です。リーダーへの信頼感を醸成します。

強制型

組織に対し、指示のみを行うリーダーシップです。一方的な指示は、部下とのコミュニケーションにおいて反発を招くなど、良い関係を築けず、成長を妨げる原因になります。

しかし、早急な対応が必要なケースでは、効果を発揮することがあります。

まとめ

EQ型リーダーシップを発揮するには、その人材が高いEQを持っていることが必要ですが、EQとは目に見えないものです。そこで、当社グロースウェルが提供する「EQGW」の活用をおすすめします。

EQGW

「EQGW」では、最初に従業員のEQの調査を行います。その分析結果から、個人の感情のスタイルを分析し、さらに8種のスタイルに分類してから、具体的な行動指数を提示します。その後のフィードバックでは、活かすべき強みや、どのように行動を変えると良いかなどを、個人に最適化してお伝えします。

どの従業員のEQが高いか、リーダーに向いているかが、「EQGW」によって可視化されます。業績アップのために、今後EQ型リーダーシップを活用していきたいとお考えの企業様は、ぜひ「EQGW」の導入をご検討ください。

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ABOUT US

組織コンサルタント。累計1,000名超国内トップクラスのEQの専門家。(著)組織の感情を変える〜リーダーとチームを伸ばす新EQマネジメント。株式会社グロースウェル 代表取締役。

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