EQの教育はいつから?心の成熟のためにEQ学習を取り入れよう

EQの教育 コラム

EQとは「心の知能指数」とも呼ばれ、自分の感情をコントロールし、相手の気持ちを推し量ることができる能力です。意識せずと相手を思いやり、適切な表現をして人間関係を良くする高いEQは、先天的な能力なのでしょうか?

実は、訓練することで大きく伸ばすことが可能です。今回は、EQを高めるトレーニングの方法や、高いEQを持つからこそ期待されるリーダーシップについて解説します。

EQが高い人の特徴

EQとは「こころの知能指数」を指すことばです。EQが高い人は、自分と相手の感情について把握し、状況に応じ感情をコントロールすることができます。

人間関係を良くするための重要な能力であり、人間の知能の基準を数値で表したIQ(知能指数)と異なり、訓練によって習得可能な能力です。

仕事は一人で行うものではないため、IQ重視の偏った教育では活躍はできません。自分や相手の感情を読み取り、相手に共感、思いやりの気持ちを持ってこそ初めて、円滑に仕事をすることができます。

ここでは、EQの高い人の特徴についてお伝えしていきます。

相手に対し寛容

EQが高い人は、おしなべて自己認識能力が高い傾向にあります。そのため、相手の意見が自分の価値観と異なると感じる場合も、自分の感情がぶれることもなく、偏見を持たずに相手を受け入れて話を聞くことができることが特徴です。

もちろん、自分の意見を言わないわけではなく、受け入れたうえで考えを伝えることができます。自分が間違いを犯したときには、素直に認めて謝るのも、EQの高い人の特徴です。

変化を受け入れる

世の中に停滞はなく、絶えず変化しています。変化を恐れていては、チャレンジすることも、人生を豊かにすることもできません。

自分を高めるためにも、EQの高い人は周辺の変化を受け入れ、柔軟に対応します。

聞き上手

EQが高い人は、他者に対する配慮や思いやりの心を持っており、人の話を聞くことがとても上手です。自分と異なる考えの人であっても、その考えを受け入れ、自分の感情をコントロールし、切り離して傾聴できます。

また、相手のために手間をかけたり時間をかけたりすることを厭うこともありません。

前向きで失敗を必要以上に恐れない

世の中に完璧なものなど存在しないということを、EQの高い人は知っています。完璧を求めないからこそ前に進むことをためらわず、その結果間違いを犯したとしても、それを自分の人生に生かすことができるのです。

EQは学習で高めることができる

IQは生まれ持った知能指数ですが、EQは何歳からでも後天的に高めることが可能と言われています。
産まれ落ちると同時にその成長が始まっていますが、習得の度合いは環境によって左右されるようです。

EQを高めるために必要とされるのは、どのような環境なのでしょうか?

EQは後天的なもの

IQは生まれ持った要素が大きいために、後天的に伸ばすことが困難と考えられており、努力や練習によって高めることは難しいとされています。しかし、EQは先天的な要素から決定する能力ではなく、学習や教育によって、後天的に伸ばせる能力です。

日々の生活の中に次のような訓練を取り入れることで、EQは高まります。

  • 人の話を聞く姿勢を大切にする
  • 人の長所を見つけ、認める
  • 日記などをつけることで自分の行動や感情を分析する
  • 純文学を読み、登場人物の感情の機微を表す語彙を身につける

特に、EQに必要とされる「感情のリテラシー」を高めるためには、感情を表す語彙を多く知っている必要があります。語彙を知ることで、その語彙にまつわる感情を認識するのです。

多くの語彙を知ることはそれだけ多くの繊細な心の機微を知ることにつながっていきます。

幼少期の親の愛情・無償の愛を享受する経験が大事

非認知能力の一つと言われるEQの高い人に共通するポイントは、「幼少期に親の愛情を存分に受けている」ことです。親が子供に対し、無条件の愛情や信頼感を与えることで、子どもは安心してさまざまなチャレンジをし、非認知能力が発達していくと言われています。

では、安心感や信頼感を育てるためには、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか?

一つは、「ことばで伝える」ことです。親がどんなに子どもを愛していても、子どもの立場からしてみれば、本当にそうなのだろうかと疑問に思うこともあるでしょう。

例えば、叱られてしまった後や、忙しくて話を聞いてもらえないときには、本当に自分が愛されているのか気になるかもしれません。

そこで、愛情が伝わっていることが当たり前と思わず、親は時々、子どもにことばで愛情を伝えてあげると良いでしょう。特別なときに言うのではなく、毎日の関わりの中で「今日も大好きだよ」「●●ちゃんのことが大切だよ」と、さらりと表現することがポイントです

子どもは照れてそっぽを向いてしまうかもしれませんが、ことばはちゃんと伝わりますので、大いに愛情を表現してあげてください。

そして、もう一つは、「スキンシップをする」ことです。子どもに愛情を伝えるには、スキンシップは一番の方法と言われています。

ですが、小さなころには抱っこしてあげることや手をつなぐことが日常でも、成長と共に機会は少なくなっていきます。しかし、頭をなでてあげることもぎゅっと手を握ってあげることも、立派なスキンシップです。

もちろん、子どもが嫌がることをする必要はありませんが、積極的に少しでも触れてあげると良いでしょう。

「ことばで伝えること」も「スキンシップをすること」も、子どもにとってみれば安心できる行為です。そして、親にとっても心の安らぐ行為でもあります。

EQを高める効果とともに、親子の絆を深める手段としても日々に取り入れてみてはいかがでしょうか?

EQを高めることで得られる効果

EQを高めることは、社会人として活躍するためにはもちろんのこと、家庭や友人関係においても良い影響が得られます。自分や他者の感情を理解し、コントロールしながら周りの人と良好な関係を築くことができるのです。

社会的スキルの向上

EQは社会で活躍する上でも求められる、「社会性の指数」とも言われます。知識量が多くスキルが高い人、IQが高い人は大勢いますが、それだけでは多くの人と円滑に仕事をすることはできません。

他人の感情を推し量ることで、トラブルを起こしたり巻き込まれたりしないよう意識しながら振る舞うことができるでしょう。家庭においても、相手を思いやった行動をとることで、夫婦や親子の家族関係も良好になります。

また、失敗を恐れずに行動を起こすことは、時には挫折を伴うこともあります。EQの高い人は、そうした場合でもくじけずに、自分の感情を整えて次の目標に向かうことができるでしょう。

トラブルの回避

現代社会は以前とは異なり、インターネットの普及とともに、パソコン一台あれば完遂できる仕事も多くなりました。そのため、コミュニケーションを取る機会や必要は薄れ、人間関係が希薄になっています。

しかし、仕事とは一人で完結できるものばかりではありません。コミュニケーション能力が高くない相手との人間関係を構築するには、自分自身のEQの高さが非常に重要です。

EQを高めることで、相手の気持ちを汲み、メンバーの雰囲気を把握し共感することで、思いやりを持ってチームを率いることができます。IQが高いだけでは、人間関係のトラブルを突破する糸口はつかみにくいのです。

学力向上

EQの高い人は自分の感情をコントロールすることができるため、ちょっとした誘惑に負けずに我慢することができます。受験勉強中に「今は勉強をしなければならないときだけれど、ちょっとゲームがしたい」などと思ったとしても、今は勉強すべき時間であるという「目的」を達成するため、小さな快楽は我慢できるのです。

このように、自分をコントロールできるようになるため、集中力は上がります。また、このように計画を立てて行動できるようになるということは、一日の時間をどのように効率的に使って行動するかの「タイムマネジメント」が可能な状態ということです。

自分の持ち時間を有効に使い、効率的に学習することで、学力の向上が期待できます。

EQがリーダーに求められる能力~EQ型リーダーシップ

優秀なリーダーは高いEQを持っており、その能力で組織を良い方向へ導くことが可能です。ゴールマンが提唱する「EQ型リーダーシップ」では、以下の6つのタイプに種類が分けられています。

これらのリーダーシップを使い分けることは難しく、リーダーによっても得意不得意がありますが、自分の得意なスタイルを認識しておくことが大切です。

  • ビジョン型:組織が進むべき方向性のみ示し、メンバーの能動的姿勢を求める。特に変革期に重要なリーダーシップ。
  • コーチ型:組織の目標に併せメンバー個人の成長を促す。組織が長期的に成長するために必要なリーダーシップ。
  • 関係重視型:チーム内での人間関係が良好であることを重要視する。信頼関係が崩壊している場合の修復に必要なリーダーシップ。
  • 民主型:メンバーと話し合い目標を決める。リーダーが自分だけで判断できない場合にも効果を発揮するリーダーシップ。
  • ペースセッター型:メンバーに向け高い目標を設定する。全体の能力やモチベーションが高い場合に有効なリーダーシップ。
  • 強制型:支配型のリーダーシップ。ただし、立て直しなどの緊急時以外では生産性に悪影響を与える可能性がある。

これらは具体的には、次のような働きかけを指しています。

逆境にも耐えられる強い心

人生は良いことばかりではなく、時には苦しく、耐えがたい試練が現れることもあります。チームがそのような状況にあっても、メンバーに声をかけともに難局を乗り切る努力をし、モチベーションを下げないように成功に導きます。

良好な雰囲気を作り集団を導く能力

EQが高いリーダーは、メンバーの感情を敏感に察知し、正しく指導しチーム全体を良い方向に導くことができます。仕事が行き詰った時や、暗礁に乗り上げそうなときは、失敗に対し過剰に反応するなど全体の雰囲気も悪くなりがちです。

しかし、個人に併せ再度目標の設定をすることや、個々の良いところを取り上げ、人間関係を再構築することで、新しい気持ちでリスタートできます。

人の心を動かし個人やチームの最高の力を引き出す

意見の合わないメンバー同士が対立するのは珍しいことではありませんが、そのことで業務が停滞するのは避けなければなりません。そこで、リーダーはメンバーの話をよく聞き、それぞれの想いを受け入れて、良い方向に向かえるように調整する必要があります。

手段が違ったとしても、同じ目標を持っていることを意識させることが重要です。一体感を感じてもらい、モチベーションを上げて最高の力を引き出すことも難しくはありません。

教育現場でのEQ学習

EQを高める学習は幼児期から開始した方が効果を期待でき、実際に取り組みを始めている教育機関も増えています。教育現場でどのような学習を進めるのが、EQを高めるために効果的と考えられるでしょうか?

自分の感情と向き合う

日本人は、とかく自己肯定感が低いと言われ、失敗したときの負の感情から抜け出すのも上手ではありません。しかし、自分を客観的に見つめることで、なぜそのような失敗をしたのか、果たしてそれが落ち込むべきことなのかどうかを判断することができます。

このようにじっくり自分と向き合う時間をとり、自己肯定感を高めることこそ、EQを高めるために最も必要なことです。落ち込みやすい人を「この人はそういう性格」で終わらせてしまうのは、自己肯定感を上げるチャンスを逃すことになります。

相手の感情を理解しようとする力の習得

人といつまでもうまくつきあっていくためには、相手の気持ちを読み取ることも重要です。普段からお互いの感情を伝え合う習慣をつけることで、訓練ができますし、自分の感情と相手の感情を知ったうえで意見を上手に表現できれば、その分人間関係のトラブルは回避できます。

思い付きを実行しようとせず、設定した目標に併せて行動できるよう、感情のコントロールの重要性について学ぶことが大切です。学級で一つの問題を提起し、ブレインストーミングなどの方法で意見を出し合い、他者の意見を否定せず受け入れていくなども一つの方法です。

コミュニケーションスキルの習得

対人コミュニケーションで難しいところは、自分の感情をコントロールして対話しても、相手がどのように感じるか正確にはわからないことです。どんなにことばを選んでも、その一言でトラブルになってしまう場合もあるでしょう。

そんなときのために、口に出す前に一度立ち止まって、もう一度考える習慣をつけるのも一つの手です。

社会に出てからは、人間関係のトラブルは自分自身で解決していかなければなりません。しかし、自分の主張だけを続けていては何も解決せず、そのためには相手の気持ちを理解する姿勢が大切です。

トラブルになった場合でも、双方の気持ちを理解することで、着地点を見つけることもできます。対面のコミュニケーションが希薄になりつつある今こそ、他者を意識したコミュニケーションを習得することが必要なのです。

まとめ

EQは先天的な能力ではなく、後天的に身に着けることが可能です。そのために必要な人間関係や教育環境を整えることこそ、社会に出てから必要とされる人材を育てることができます。

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