【2020】IQとEQの違いは?IQとEQで分類する4つの人の特徴

IQとEQの違い EQを学ぶ

IQとEQの違いはどこにあるのでしょうか?IQとEQはどちらも人間の能力を表しますが、実は測定する能力の対象はまったく別です。特に、社会人においてはIQよりもEQが重要だとわかっており、「職場で活躍している優れた人材ほどEQが高い」とも言われています。

そこで本記事では、IQとEQの違いはどこにあるのか、それぞれの能力の伸ばし方を交えてお伝えしていきましょう。

IQとEQの違い

書籍

IQとEQにはどのような違いがあるのでしょうか?ここでは、IQとEQの違いについて解説していきます。

IQとは「考える知性」

IQは、Intelligence Quotientの略称。人間の「考える知性」を数値化して測定できる指標です。具体的には、IQテストでは次のような能力を測定できます。

  • 記憶力
  • 言語性知能
  • 情報処理能力
  • 推理推論能力
  • 空間認知能力

一般的にIQの高い人は「頭の良い人」と言われ、学歴の高い人ほどIQも高いとされています。IQの平均値は100であり、85〜115の範囲にいる人がほとんどです。IQ120以上になると「秀才レベル」。140以上は「天才レベル」となります。

たとえば、東大生のIQの平均は120ほどです。天才的な頭脳を持つ物理学者のアルベルト・アインシュタインのIQは、最低でも160〜190はあったと言われています。

IQの重要な要素である空間認知能力と推理推論能力の遺伝率は70%とも言われており、先天的な要素が強い点が特徴的です。生まれた時点でIQの能力のレベルはある程度決まっているため、IQは努力しても伸びる能力とは言えません。しかし、原則としてIQの要素の中でも言語性知能の遺伝性は10%程度とされており、努力次第で向上させることが可能です。

EQとは「感情知能」

EQはEmotional intelligence Quotientの略です。人間の「感情知能」を数値化して測定できる指標です。具体的には、EQテストで次のような能力を測定できます。

  • 対人能力
  • 共感性
  • 協調性

一般的に、EQの高い人は「心の豊かな人」と言われ、環境に適応する力が高く、仕事に対するやる気を高い水準で維持できると言われています。たとえば、EQの高い人には、次のような特徴があげられるでしょう。

  • コミュニケーション能力が高い
  • 他人のミスに寛容的
  • 感情の起伏が少なくいつも冷静
  • 周囲や自分の役割がよく見えている

したがって、近年では採用人事や人材育成などの判断材料として、EQの測定結果を活用する企業もあるようです。

また、EQはIQと違い後天性なので、大人になってからでも努力次第でEQの能力は総合的に伸ばせます。家庭や学校など周囲の環境によってもEQは影響を受けるため、仲の良い両親のもとで育った子どもは他人に心を配れる子どもになります。対して、日常的に子どもの前で両親の喧嘩が絶えない環境で育った子どもは、EQが低い傾向にあります。

IQとEQにより分類できる4つの人的特性

4種類の人間

IQとEQは異なる能力なので、分類して特性を考えることが可能です。ここでは、IQとEQをそれぞれ高低ごとに細分化し、4つの人的特性を解説していきます。

特性①:IQ:高い、EQ:低い

IQが高く、頭脳明晰で高学歴なケースが多く見受けられます。しかし、EQは低いため、普段から高圧的な態度を取りがちで周囲から偉そうな印象を持たれる場合もあります。

特性②:IQ:高い、EQ:高い

IQとEQが両方とも高い、まさに理想的な人格と言えます。知的でありながら周囲に気配りができるため、周囲からの人徳も厚い人です。

思考力がしっかりしていて、感性も豊か。突然のトラブルにも、冷静に的確な処理ができます。自己管理能力にも優れているため感情のムラが少なく、ストレス対処力も非常に高いため、途中で責任を放棄して諦めることは少ないでしょう。

特性③:IQ:低い、EQ:高い

EQが高いため、自分の感情や相手の状況を把握できますが、思考力が不十分なために感じたことをすぐに口に出してしまう傾向があります。また、周囲から「人当たりはよいけれど実力や知識が乏しい」と受け取られ、「愛想が良いだけの人」と評価されてしまいがちです。

得意なことや興味関心のあることには熱心に取り組みますが、嫌いなことや苦手はことに対しては別人のようにやる気がなくなる、ドラスティックさがあります。

特性④:IQ:低い、EQ:低い

IQもEQも低いため、仕事が長続きせずにすぐに辞めてしまったり、学ぶことが嫌いで物事を深く考えずに物事を感情にまかせてしまったりする傾向にあります。感情のコントロールができず、外にストレスを発散させますが、すぐにまた新しいストレスを生みだす場合が多いです。

EQは社会人が仕事するうえで必要不可欠

社会人同士のコミュニケーション

EQは社会人が仕事をするうえで必要不可欠な能力です。ここでは、IQの高さが成功の要因になるとは限らない理由や、高いEQが求められる職種についてお伝えしていきましょう。

IQが高くても社会で成功できるとは限らない

IQの高い人は最善の行動を建設的に素早く決定でき、創造的な問題解決ができます。このIQの能力は会社社長やチームリーダーなど、組織を束ねてより良い方向へと導く重役にとって必要な能力です。

しかし、IQが高いからといって、ありとあらゆる場面で優れた才能を発揮するとは限りません。なぜなら、ビジネスで交渉を有利に進めて協力者を得るには自分の能力の高さだけでなく、「人間の感情」も仕事の成果に大きな影響を及ぼすからです。

ピーター・サロベイ博士(イェール大学)とジョン・メイヤー博士(ニューハンプシャー大学)がおこなった、ビジネスパーソンを対象に実施した調査によると「社会で成功した人は対人関係能力に優れている」とわかりました。つまり、自分の感情をコントロールできる人や他者の感情を汲み取れる人は、社内外において人間関係が良好であると示唆されたのです。

高いEQが求められる職種と役職

EQは社会人全般がより良いパフォーマンスを発揮するために必要な能力ですが、特にコールセンターのオペレーターや営業員、カウンセラーなどはEQの高い人ほど仕事がうまくいくと言われています。また、組織において優れたリーダーシップを担う人は自分の感情によって、相手や組織全体の感情を左右する傾向が高いため、「人の心を動かし、最高の力を引き出す」高度なEQの力が重要です。

IQとEQは反立する概念に見えて、実は互いに補い合う補完関係にあります。なぜなら、社員のおかれた状況やその時々の感情によって発揮されるIQの度合いには差が生じるからです。

たとえば、新しい企画を出す会議においては、リラックスした雰囲気や楽しい気分のとき方が多くのアイディアが出るでしょう。一方で、数字チェックのような細かい作業がメインの際には、落ち着いた雰囲気で静かな感情でいられる方が、精度の高い生産性につながることは想像に難くありません。

つまり、IQを十分に発揮するには「EQの能力を高めること」が重要なのです。そして、EQを高めて状況に即した感情を表出できれば、社会人としてより良いパフォーマンスの発揮につながります。

リーダーが意識すべきEQの領域と行動特性

働くチーム

組織におけるリーダーとして活躍するためには、EQのどのような特性を意識して行動すれば良いのでしょうか?ここでは、リーダーが組織によい雰囲気を与えるために、心がけるべき領域と行動特性についてお伝えしていきます。

自己認識

優れたリーダーになるためには、まず自分の感情を認識し、正確に自己評価をすることが大切です。自分の内側から湧き出る感情を敏感に察知して受け止められると、自分の気持ちの揺れが仕事にどう影響を与えるかの認識にもつながります。

感情を認識して正確に自分の強さと限界をわきまえることで、改善すべきところは学び、助けを求めるべき場面や集中すべき物事を取捨選択できるのです。こうして、自分の能力を正確に知っているリーダーは自分の長所を生かし、自信をもって堂々とタスクに取り組めます。

自己管理

優れたリーダーにとって、自己管理としての感情のコントロールは重要です。感情のコントロールができるリーダーは突発的な負の感情に打ち勝ち、有益な方向にチームを導けます。

自分の価値に対して正直である「透明性」があるため、自分に非があれば素直に認め、他人の倫理的でない言動に対して、立ち向かうことにも前向きです。また、多様性を重んじながらも新しい課題や変化に素早く対応し、達成意欲をもって自らと部下に学習や指導を続けます。

このように、イニシアティブのあるリーダーはチャンスが来るのを待つだけでなく、チャンスを作り出すのに長けていることも特徴的です。逆境や挫折にもチャンスを見出し、ポジティブに将来の可能性を広げようとする姿勢があります。

社会認識

社会認識としてメンバーが口に出さない感情を汲み取る共感性は、優れたリーダーにとって必須です。社会認識に優れたリーダーは組織感覚力にも長けており、組織の政治力学を把握して価値観や暗黙のルールを読み取れます。

ギブ・アンド・テイクでいうと「ギブの精神」が強く、社内の人間関係だけでなく顧客との関係においても、良好に保てるよう常に気を配る奉仕の姿勢があります。

人間関係の管理

人間関係の管理においてEQの優れたリーダーは、人の心を奮い立たせて職場に活気や連帯感を与えられます。影響力に優れたリーダーはさまざまなレベルの影響力を行使し、聴衆の関心を逃さずに説得力をもってチームに語りかけることが可能です。自分が才能を啓発したり援助したりする相手に、適切なアドバイスをタイミングよくできます。

また、変容促進に優れ、新しいより良い秩序への変化を妨げる要素を克服するための、現実的な方法を見つけ出す特性もあると言えるでしょう。紛争処理に優れており、当事者の主張を引き出しながら視点の相違を理解して共通の理想を見出せます。

チームプレーに優れているので、友好的な協調関係を作り上げ、自分自身も援助を協調の模範を示し、親密な人間関係を育成するために時間をかける点も特徴的です。

IQとEQを高める方法

脳のトレーニング

IQとEQは、それぞれどのようにして高められるのでしょうか?IQとEQの能力を手軽に伸ばす方法をそれぞれ解説していきます。

IQの高め方

まずは、IQを高める方法についてです。大人になってからでも伸ばせるIQ要素の高め方について紹介します。

Dual-N-Back課題を実践する

Dual-N-Back課題とは、スザンヌ・イェギ氏らによって提唱された同時並列で記号処理をおこなう脳科学トレーニングです。課題を日常的に取り組むと、ワーキングメモリ(作業記憶)が強化されるため、IQの向上に役立つと言われています。

N-Backの「N」とは記憶できる数のことです。たとえば、「Dual-6-Back課題」ならば次のような手順でトレーニングをします。

  1. 6回暗算して6個の解答を瞬時に記憶する
  2. その6つの解答を順番にアウトプットする

この①と②の手順を休まずおこなうことで、前頭葉を鍛えられる脳トレがDual-N-Back課題です。

ミシガン大学によると、Dual-N-Back課題を日常的におこなうことで、IQが平均約5ポイントアップしたという研究結果があります。一見、シンプルな課題に見えますが、繰り返すとかなりハードなトレーニングです。

しかしm苦しいトレーニングだけあって、それなりの効果も期待できます。Dual-N-Back課題はスマートフォンのアプリでも気軽に取り組めるので、興味のある人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

マインドフルネス(瞑想)の時間をもつ

マインドフルネス(瞑想)の時間を持つと、IQの伸ばすことが可能です。マインドフルネス(瞑想)には、ストレスや不安を取り除き、心を休めて生産性があがると科学的に実証されています。

たとえば、脳機能面では集中力や記憶力が向上し、マルチタスクをしながらそれぞれも仕事に集中できるでしょう。結果として、仕事や学業の高いパフォーマンスに寄与します。

マインドフルネス(瞑想)の方法は次のとおりです。

  1. 背筋を伸ばして座り、目を閉じる
  2. よい姿勢を維持して4秒間心の中で数えながら息を吸う
  3. 4秒後に約2秒間軽く息を止める
  4. 息を止めた後6秒間かけてゆっくりと息を吐く
  5. 息を吐き切った後、自然に息を2秒間止める

一連の動作をおこなううえでのポイントは次のとおりです。

  • 身体に力を入れすぎて苦しくならないようにおこなう
  • 意識は呼吸のみに向け、感情や思考が浮かんでも追わない

マインドフルネス(瞑想)を毎日20分間繰り返すことで、IQが20%以上アップしたという検証結果があります。習慣づけるとより高い効果を期待できるEQの高め方と言えるでしょう。

外国語を学んで多様性を身につける

外国語を学ぶことはEQを高められます。なぜなら第二言語を学ぶことを通じて、脳内の神経ネットワークが広がり、より多くの物事を関連づけて思考する能力が上がって、推理推論能力や抽象思考能力を高められるからです。

外国語を学ぶといっても、ネイティブスピーカーのように異国語を話せる必要はありません。EQを高めるうえでは、あくまで「新しいことに挑戦する」「別の思考パターンをもつ」姿勢が重要です。「大好きな海外ドラマを字幕なしで観る」「英字新聞のコ短いラムを読んでみる」など、身近な興味関心から外国語学習をはじめてみてはいかがでしょうか?

EQの高め方

続いては、EQを高める方法についてです。今すぐ簡単にEQを伸ばせる方法を紹介しましょう。

毎日の行動や感情を日記で記録する

毎日の行動や感情を日記として記録することは、EQを高めるうえで有効です。なぜなら、日記を書くと、自分の言動を客観的に振り返れるからです。人間の行動と言葉には関連性があり、日記を書くことは「なぜ行動や感情が生まれたのか」の分析に役立ちます。

日記を書く際には、主に次の2点を押さえるとEQを高めるうえでより効果的です。

  • 自分の言動を漠然と記載するのではなく理由も一緒に記録する
  • 自分の言動だけでなく、周囲のポジティブな部分も見つけるようにする
  • 頭の中で振り返るのでなく、紙やパソコンで記録して可視化する

言動だけでなく、理由を一緒に記すと、後からでも自分の感情を冷静かつ前向きな姿勢で振り返れます。

また、周囲の良いところを探す習慣を持ち、他者への尊敬の気持ちを育む姿勢も自分が尊敬される対象になるうえで大切です。自らの感情と行動のメカニズムが可視化できると、自分の感情の表現方法やコントロール方法を理解できるようになるでしょう。

相手を傷つけない断り方を習得する

EQを高めるためには、相手を傷つけない断り方を習得しましょう。なぜなら、相手の提案を断りたいとき、EQの低い人はどのように断れば良いかわからないケースがあるからです。

適切な断り方がわからないと、相手を傷つけてしまうような言い方で断ってしまい相手との関係性が悪くなったり、自分の感情を押さえ込んでムリに同意してしまったりします。したがって、EQを高めたい人には、相手を不快な気持ちにさせずに、立場を尊重しながらも自分の意思を伝えるコミュニケーションスキルを身につけることが大切です。

相手の提案を断る行為は、相手の人格を否定する行為ではありません。自分の本当の気持ちにウソをつかないためにも、意に反する依頼や承諾したくないお願いごとには、「ノー」と断る習慣をつけましょう。

しかし、断る際には「本当は断りたくないのですが」と、丁寧に前置きを入れることがポイントです。また、理由もなく断ったり素っ気ない言い方をしたりすると、相手との関係性が壊れてしまうので、言葉の選び方や言い方には注意しましょう。

断る際には、「自分にとって大切なものとは何か」「何を断るのか」を明確にすると、断りを入れる迷いやストレスが軽減します。

純文学を読んで共感性を高める

純文学を読むことは、EQを高めるうえで役立ちます。なぜなら、純文学を読むと、EQの重要な要素のひとつである、「共感力」を高められるからです。

ニュースクール大学の研究で、「大衆小説」「純文学」「ノンフィクション」などのジャンルのうち、「純文学」を読んだ実験グループのみ共感性が飛躍的に高まったという実験結果があります。つまり、純文学の持つ「想像の世界の中で複雑な心のニュアンスを描いている」という特性が、読む人の心にも影響を及ぼしたとも言えるでしょう。

純文学は日本でもメジャーなジャンルです。「共感力を気軽に高めたい」という人は、純文学にチャレンジしてみると、他者への共感性を高める力を伸ばせるでしょう。

まとめ

IQとEQの違いはどこにあるのか、IQとEQの特徴の違いや能力の伸ばし方について解説しました。要点は次のとおりです。

  • IQとは「考える知性」、EQとは「感情知能」
  • 社会で活躍するためにはIQだけでなくEQも大切
  • EQだけでなくIQの特定の要素もトレーニングで向上する

IQとEQは対立する関係ではなく、お互いを補い合う補完関係にあります。社会人として活躍するためには、IQとEQの両方を向上させる意識をもつ姿勢が何より重要です。