【2020】EQとは何か?ビジネスや人との関わりに活かそう!

EQとは EQコラム

EQは感情に関わる知性として、近年ビジネス社会を中心として注目を集めている能力です。しかし、EQの概念についてはいまだに研究過程にあるため、「EQという言葉はよく聞くけれど、どのような能力なのかよく知らない」という人は多いのではないでしょうか?

そこで、今回はEQとはどのような能力なのか、EQが高い人と低い人の特徴を交えながら解説します。

EQとは「感情知性」のこと

ハートを作る女性

EQとはEmotional Intelligence Quotientの略であり、日本語では「感情知性」と訳される場合があります。

感情知性における最初の概念は、心理学者のサロベイ氏とメイヤー氏による1990年の論文から生まれました。彼らは論文の中でEI(Emotional Intelligence)モデルについて言及。

その後、心理学者のダニエル・ゴールマン氏が出版した、『EQ:こころの知能指数』が世界的なベストセラーとなり、EQが一般的に広く知られるようになりました。

EQ〜こころの知能指数

画像引用元:Amazon

EQとは、端的に言えば自分や相手の感情を正確に把握し、状況に応じて自分の感情をコントロールし、より良い方向に表現する力です。ダニエル・ゴールマン氏は「EQとはどのような力なのか」という疑問に対して、次の観点をあげています。

  • 自分自身をモチベートし、挫折しても粘り強く努力できる力
  • 突発的な感情をコントロールし、目の前にある快楽を抑制できる力
  • 気分をうまく整え、感情の乱れに思考力や集中力が阻害されない力
  • 他者の感情に寄り添え、ポジティブな感情を維持できる力

つまり、EQが高い人は自分の今の感情の状態を認識してコントロールできるため、自分や周囲にとって適切な感情や行動を創出でき、結果として対人関係もうまくのだと言えるでしょう。

EQを構成する4つの能力

EQは、基本的に4つの能力から構成されています。

  • 識別
  • 利用
  • 理解
  • 調整

4つの能力は対人関係において特に有用です。そして、それぞれの能力の高低差が、ビジネスや実生活における言動の差となります。

次から、EQを構成する4つの能力の詳細について解説していきましょう。

能力①:感情の識別

1つ目のEQの構成要素は「感情の識別」です。

感情の識別とは、自分の感情を認識したり、他者と自分の感情とを区別したりする能力を指します。感情の識別は突発的な感情の変化だけでなく、日頃の自分の精神状態を把握できているかにも通じるため、EQのベースになる重要な要素です。

能力②:感情の利用

2つ目のEQの構成要素は「感情の利用」です。

感情の利用とは、自分の感情を状況に応じて適切な状態に導く能力を指します。例えば、「怒りの感情を和らげる」「相手に共感する」「ポジティブに物事をとらえる」など、自分の感情をいかにコントロールするかがポイントとなります。

状況に合わせて感情を誘導できる力は、モチベーションの意識的な向上にも有用です。

能力③:感情の理解

3つ目のEQの構成要素は「感情の理解」です。

感情の理解とは、自分や相手がどうしてそう感じるのか、感情の変化について推察する能力を指します。感情を理解するには相手の表情や言動、現場の状況など多くの情報を総合的に利用することが必要です。

ゆえに、「感情の理解」はEQの構成要素の中でも最も経験が求められる能力とされています。

能力④:感情の調整

4つ目のEQの構成要素は「感情の調整」です。

感情の調整とは、自分の感情を適切に調整する能力を指します。EQのプロセスにおける最後の能力でもあるため、特に対人関係における総合的な力として重要視されています。

EQはどうやって測定する?

チェック項目

EQの測定方法には、大きく分けて「質問紙法」と「能力テスト法」の2種類があります。

質問紙法は決められて項目に回答する形でEQを測定する方法です。そして、能力テストはIQ検査のように客観的なテストを用いてEQを測定する方法です。

ここでは、「情動コンピテンス」と「MSCEITテスト」という、現時点で標準化されている2つのEQの測定方法について解説していきます。

情動コンピテンス

情動コンピテンスとは、質問紙法に基づくEQの測定方法で、次のような能力を指します。

  • 自分自身の情動に気づきその意味を受け取り調整する力
  • 他者の情動に気づき共感的に理解し関わる力
  • 自他の間で情動のコミュニケーションを適切に展開する力

ちなみに、質問紙法とはあらかじめ質問者によって用意された各質問項目に対して回答する検査方法です。質問紙法による回答を分析すると、情動コンピテンスにおける自己と他者の領域の関連性を分析できます。

MSCEITテスト

MSCEITとは、Mayer-Salovey-Caruso Emotional Intelligence Testの頭文字を取った略称で、能力テストでよく用いられる手法です。このMSCEITテストは、アメリカの一般人や西洋諸国の情動研究者の規範的解答を正解として作成されており、欧米諸国と文化差がある日本では、正解基準を同等に用いるのは難しいという考え方もあります。

EQとIQの違いとは?

脳科学

EQとIQの違いは次の3点にあります。それぞれの違いを詳しく解説していきましょう。

  • 測定対象
  • 後天性・先天性
  • 活かせるフィールド

測定対象

EQとIQでは、測定対象が異なります。EQの測定対象は「感情」です。EQは自分や他者の感情をどれくらい正確に把握し、コントロールしたり表現できたりするかを測定します。

一方で、IQの測定対象は「知能」です。したがって、IQは論理的な思考や記憶力など学力に関わる知能を測定します。

後天性・先天性

IQは先天性であるため遺伝的な要素が強く、生まれた段階である程度能力は決まっています。ゆえに、IQは大人になってから大きな変化を期待するのが難しい能力です。

一方、EQは後天性であるため、はたらきかけ次第で成人後も伸ばせる能力とされています。

活かせるフィールド

EQとIQでは能力を活かせるフィールドが異なります

IQは主に学力の指標となっています。したがって、IQの高い人はより偏差値の高い学校に進学できたり、大学や大学院など専門性の高いフィールドへと進んだりが可能です。

一方、EQはビジネス社会で活かせる能力です。チームワークが重要視されるビジネス社会においては、コミュニケーション力や思いやりの心が大切であり、学力の高さは必ずしも評価されるとは限らないとダニエル・ゴールマン氏は言います。

EQが低い人の特徴

NGサインを出す男性

EQが低い人にはどのような人があるのでしょうか?この章では、EQの低い人が持つ代表的な4つの特徴についてお伝えしていきましょう。

  • 共感力が低く他者の悲しみに寄り添えない
  • 怒りや悲しみなどネガティブな感情をコントロールできない
  • 自己中心的な言動が多い
  • 自分の弱みや強みを客観的に理解できない

共感力が低く他者の悲しみに寄り添えない

EQの低い人は共感力が乏しいため、他者の悲しみや苦しみに寄り添うのが苦手です。また、ネガティブな事象だけでなく、他者の成功に対しても共に喜んだり素直に認めたりできないため、チームの輪を乱す存在となる場合があります。

怒りや悲しみなどネガティブな感情をコントロールできない

EQの低い人は怒りや悲しみなどネガティブな感情をコントロールできません。ストレス耐性がないので、ちょっとしたトラブルや批判に脆く、感情的に抵抗します。

自己中心的な言動が多い

EQの低い人は自己中心的な言動が多い点が特徴的です。自分の考え方は正しいと信じて疑わないので、他者の意見に耳を傾けず、独断で突っ走る傾向にあります。

自分の弱みや強みを客観的に理解できない

EQの低い人は自分の弱みや強みを客観的に理解できません。「自分とは何か」が理解できていないので、木を登ろうとする魚のように、自分の本領が発揮できない場所でムダな努力を続けます。

結果、理想と現実にギャップが生じてしまい、自分の人生に対して不満を持ち続けるのです。

EQが高い人の特徴

アイデアマン

一方で、EQが高い人にはどのような人があるでしょうか?ここでは、EQの高い人が持つ代表的な10の特徴について紹介しましょう。

共感力が高い

EQが高い人は共感力が高く、他人の喜びや悲しみを自分ごととして捉えられます。思いやりの心を常に持っているので、相手を助けるために自分の時間を割く労力を惜しみません。

バランス感覚が良い

EQが高い人は感情のバランス感覚が良いという特徴があります。プライベートと仕事とのメリハリがついているので、何かネガティブなことがあっても、その感情に長い時間引きずられません。

タイムマネージメントもしっかりしていて、仕事もプライベートも充実しています。

変化を受け入れられる柔軟性がある

EQが高い人は変化も人生の一部だと理解しているので、新しい物事を恐れず柔軟に対応する力があります。今までにない新しいアイディアや価値観をどんどん吸収して、組織や個人をより良い方向に導く原動力となるのです。

集中力が高い

EQが高い人は、目の前にある重要な作業だけに集中する力に長けています。したがって、メールや雑念などの外的な要因により、気が散ったり生産性が下がったりなどは比較的少ない傾向にあります。

完璧を目指さない

EQの高い人は自分の強みや弱みを把握しているので、端から完璧を目指しません。自分一人ですべてを背負うのはムリだとわかっているので、他者の協力を求められる素直さを持って物事を進めることが可能です。

自分の得意不得意を理解している

EQの高い人は自分の強みと弱みを正確に理解できているため、自分の能力を思う存分組織に還元し、自分の人生を謳歌できます。単に自分の得意不得意を受け入れるのではなく、さまざまな人との出会いを通して自分の人生をより良い方向に活かす方法を知っていることも特徴的です。

自分のモチベーション管理ができる

EQの高い人は自分のモチベーション管理ができているので、何事も自発的に頑張れます。報酬や他者からの承認などに影響されず、自分の中にある純粋な欲求に従うので、物事がうまく進まなくても高いモチベーションを維持できる点が特徴的です。

過去を引きづらない

EQが高い人たちは、過去の失敗や嫌なことなどをわざわざ思い出して落ち込むのは、時間のムダだと考える傾向にあります。ゆえに、過去に目を向けるよりも、未来をより良いモノにするために時間を使う傾向にあります。

境界線をはっきり定める

EQの高い人は相手を傷つけない「No」の伝え方を知っているので、できないことやネガティブなことに対してははっきりと境界線を定めて断ります。自分の軸を持っているので、過剰に物事を抱えたりストレスを溜め込んだりもありません。

ポジティブな物ごとに集中する

EQの高い人は失敗やトラブルが生じても、周囲を批判したり責任転嫁したりせずに、解決策を導くために時間を費やします。変えられない過去や他人に意識を向けるのではなく、未来や自分といったポジティブな対象に目を向けて集中する点が特徴的です。

EQを高める方法

右肩上がり

先述したように、EQは後天的な能力なので、大人になってからでも高めることが可能です。では、具体的にどのような方法でEQは高められるのでしょうか?

ここでは、EQの能力を高められる代表的な方法について2つ紹介します。

自分の気持ちと向き合う時間を持つ

EQを高めるには、自分の気持ちと向き合う時間を持つことが大切です。例えば、自分の気持ちと向き合うには次のような方法があります。

  • 1日10分でも良いから瞑想する時間を持つ
  • 信頼できる他者に自分の強みや弱みを教えてもらう
  • 自分の会話を録音して会話分析する
  • EQのテストを受けて結果を分析する

自分とは何かがわかったら、自分の感情のクセや他者との関わり方が明確になります。自分を知ることはEQを高めるうえでのベースとなる要素です。

些細なステップからでも構いません。忙しくて時間がない人こそ自分をケアする時間を持ってみましょう。

感情を文字にして可視化する

EQを高める方法として、自分の感情の可視化が有効です。例えば、感情を可視化する代表的な手法に「感情日記」があります。感情日記を書く際のポイントは次のとおりです。

  • 「今どんな気持ち?」「何があった?」「何を考えたらその気持ちになった?」の3つを心の外に流すイメージで書く
  • プライドや羞恥心などにとらわれず素直な気持ちを書く
  • スッキリ感や納得感を重視して書く

なお、最近では感覚的に感情を記録できるアプリもあります。ご自身のやりやすい方法を用いて感情の記録を習慣づけてみてください。

まとめ

ひらめきがあった女性

EQとはどのような能力なのか、指数が高い人と低い人の特徴を交えて解説しました。要点は次のとおりです。

  • EQとはEmotional Intelligence Quotientの略で、日本語では感情知性と訳される場合がある。
  • EQとは「自分や相手の感情を正確に把握し、状況に応じて自分の感情をコントロールし、より良い方向に表現する力」である。
  • EQとIQの違いとは「測定対象」「後天性・先天性」「活かせるフィールド」。

「EQとは何か」に関してはいまだ研究段階の概念ですが、EQの構成要素をふまえながら能力は高められます。EQは大人になってからでも伸ばせる能力であり、ビジネス社会でより高く評価されている能力です。

本記事で紹介したEQの内容を、ビジネスや人との関わりの中でぜひお役立ててみてください。