【2020】EQを活用するとわかることは?活用方法と事例

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Google社をはじめとした多くの企業において、EQを活用した組織力の向上やビジネスの好成績が実現しています。しかし、実際にEQをビジネスに人材育成やマネジメントに取り入れた企業の中には、EQの活用法が適切でないゆえに個人と組織の力を最大限に発揮できないケースも少なくありません。

このような失敗は多くの場合、EQマネジメント力の低さが影響しています。そこで、今回はEQマネジメント力を最大限に発揮させる活用法について、活用事例や能力の高め方も交えながら解説します。

EQとは何か

温かい心

EQとはEmotional Intelligence Quotientの略で、日本語では「感情知能」とも呼ばれています。具体的には自分と他者の感情を的確に把握し、感情をうまく表現したりコントロールしたりできる能力のことです。

EQの測定方法

EQは、次の3つの知性により構成されています。

  • 心内的知性
  • 対人関係知性
  • 状況判断知性

EQの測定において、自分のEQがどれくらいかの指数を明らかになるため、3つの知性のバランスや総合的な行動傾向を元に個人や組織全体のEQの分析も可能です。

EQとIQの違い

EQとよく混同されやすい言葉に「IQ」があります。

IQとは知能指数のことで、Intelligence Quotientの略です。IQは学校での知能検査で測定されるため馴染みのある人も多いでしょう。では「EQとIQでは何が違うのか?」というと、次の3点が異なります。

測定される能力

まず測定される能力の対象が違います。先述した通りEQは「自分や他人の感情をどれだけ的確に把握し、表現し、コントロールできるか?」という能力です。

他方、IQは「どれくらい記憶力や論理的思考などが優れているか?」という能力です。つまり、EQとIQでは測定される能力が異なります。

重要視されるフィールド

次に、IQとEQでは重要視されるフィールドも違います。学校教育では「教科単元をどれだけ理解できているか」を特に記憶力をベースにして判断するケースが多いため、IQの高さが好成績につながりました。

しかし、ビジネスでより重要視されるのはIQではなくEQです。なぜなら、ビジネスは多くの場合一人でやるものではなく、チームや取引先とのコミュニケーションや思いやりによって成り立つからです。

したがって、IQがいくら高くても自分勝手で他人への配慮が欠如している人はビジネス社会で成功できません。この事実はEQを世界的に広めたダニエル・ゴールマンの実験的な研究においても指摘されています。

後天的か先天的か

また、能力そのものが先天的か後天的かも、IQとEQでは違います。

IQは遺伝的な要素が強い先天的な能力であると言われているため、生まれてきた段階でどのくらいのIQがあるかはある程度決まっていました。つまり、IQが低い人はいくら頑張ってもIQを高めることが難しいとされていたのです。

しかし、EQは後天的に伸ばせる能力であるため、大人になってからの自分の努力次第でいくらでも高められる点がIQとは違います。

EQを活用するとわかること

ポイント

EQを活用すると具体的にどのような自己を認識できるのでしょうか?ここでは、EQを活用するとわかることについてみてお伝えしていきます。

自分の強みと弱み

EQを測定すると、まず「自分の強みと弱み」がわかります。強みと弱みの認識できると、「自分があるべき姿」と「現状」のギャップを理解し、自己育成のポイントを見極めることが可能です。

例えば、自分の強みは「コツコツと地道な作業をこなせる点」だと自己評価を下していたとします。しかし、実際にEQを測定してみると「コツコツ地道な作業」が重視される「自己規制」の力よりも「チームをまとめる力」が重視される「社会的技術」が優れていたとわかった場合、「自分のあるべき姿」と「現状」には違いがあると認識できます。

感情と行動のクセ

個々の強みや弱みの把握は個人の適性だけでなく、組織の風土を客観的に分析するうえでも有用です。なぜなら、組織の中で個人の能力が最大限に発揮するにはどうすれば良いかという課題が明確になるからです。

業種・職種に応じて、個人の能力が最大限に生かせる人材配置を考慮する観点からもEQは活用できます。

自分の能力が活かせる環境

その他にも、EQを測定すると「感情と行動のクセ」がわかります。

「指示待ち人間」「打たれ弱さ」「コミュニケーション下手」などを外野から指摘されても、自分の感情の理解が不十分だとなかなか矯正はできません。なぜなら、個々の行動と思考はそれぞれ違うため、自分の欠点を自らが自覚するのは難しいからです。

しかし、行動の根底には必ず「思考」と「感情」があり、この思考と感情を理解できれば「些細な意識や行動」を1歩ずつ変えられます。そして、意識や行動を磨き高められると、組織・チームの連帯感もアップしていくのです。

感情と行動のクセはEQを測定すると端的に明らかにできるので、ありのままの自分に気づけると、自己理解と相互理解にもつながります。

EQを活用するとできること

ミーティングルーム

EQを組織で活用すると、何ができるのでしょうか?ここでは、EQを活用すると得られるメリットについて紹介します。

人間力の向上

EQを活用して個人や組織を管理できると、人間力の向上につながります。なぜなら、感情をうまく管理して利用できると前向きな感情を創出できるからです。

そして、そのポジティブな感情は個人だけでなく、周囲にも伝染します。つまり、前向きな感情はポジティブな思考や行動を生み、結果としてより良い成果に結びつけられるのです。

このように、EQはヒューマンスキルの向上にも寄与します。

組織力の向上

EQを活用すると組織力が向上します。なぜなら、EQを高めて活用できると、自分と相手の感情を適切に認識して管理・コントロールできるので、チームワークやコミュニケーションが円滑になるからです。

組織力が高まると、メンバー間の共感力も高まり、組織間でのトラブルや個人のミスが生じても客観的に分析して失敗をバネにポジティブな解決策に導けます。このように、EQにはチームワークの向上にも影響を及ぼすのです。

部下育成

EQを活用すると部下との心の距離を近づけられるので、関係育成にも効果的です。一方的に部下の欠点やミスを叱るのは上下関係でよくある話ですが、高圧的なリーダーでは、かえって部下が上司に対して恐怖心を持ったり素直な感情を出せなくなったりします。

特に、EQにおける共感力は部下育成では重要なポイントです。そして、部下に共感するには上司として「アドバイスする」のではなく、まずは部下が何を言いたいのか話を聴く姿勢を大切にしてください。部下の言葉にしっかり耳を傾けて、相手の感情の理解からスタートすると、部下との信頼関係を構築できます。

良好な人間関係の構築

EQを活用すると良好な人間関係を構築できます。EQの高い人は物事に対して前向きに捉えられるので、安定した気持ちで他者と接することが可能です。

例えば、「気分にムラがある上司」と「いつも穏やかで客観的な判断ができる上司」がいたとします。多くの人にとって良好な人間関係を築きやすいのは、「いつも穏やかで客観的な判断ができる上司」でしょう。

気分にムラがある上司だと、感情の主体が自分自身なので周囲にネガティブを撒き散らします。また、自分の感情の管理がうまくできないと、協力者も得られにくくなります。

EQをうまく活用できると、個人だけでなく周囲にも良い影響を及ぼすことが可能です。

EQ活用事例

ビジネス街とビジネスマン

EQは特にビジネス社会において有用性があります。ここでは、ビジネスにおけるEQの代表的な活用例について3つ紹介します。

活用事例①:経営課題

EQを活用すると会社の課題がどこにあるのかを明確にできるので、組織を立て直す際に優先順位がつけられない際に特に有効です。

例えば、EQテストを全社員に受験させ、分析を実施するとします。EQのデータを元に分析レポートを作成すれば、社員個人のEQの状況だけでなく、会社全体や部署ごとのEQの平均を割り出すことも可能です。

会社の課題が何なのか人材ベースで洗い出せるため、何を優先的に対処すれば良いのか明らかになります。

活用事例②:マネジメント

EQは組織におけるマネジメントにも活用できます

例えば、管理者層のマネジメント不足で、新人社員が関連会社や組織メンバーと挨拶やコミュニケーション不足など、基礎的な関係構築ができていない場合。管理者層としては、新人の話により耳を傾けたり、モチベーション管理に取り組んだりする必要があります。

そこで、EQを活用すれば、新人の強みや弱みを把握して分析することが可能です。

活用事例③:グローバリゼーション

EQは国内のみならず国際感覚としても重要な能力です。特に日本は少子高齢化が進み、今後ますます人口減少は進んでいくでしょう。労働力や市場のグローバル化が拡大するなか、文化や言語が違う労働者に対する社員教育にEQは活用できます。

例えば、経営や現場の社員にEQによる自己開発プログラムを組み入れ実行すると、外国人労働者のモチベーション維持や経営陣とのギャップ改善に役立ちます。このようなEQによる自己開発により、人と組織のグローバル化に対応できる人材教育が可能です。

EQの高め方

楽しく仕事している女性たち

ここまでEQとは何か、活用事例を交えて解説してきました。この章では具体的にEQを高める方法についてみていきます。

自分と他者の感情識別力を高める

EQを高めるには、意識と行動の変化を積み重ねて、感情を識別する力を習慣づけることが必要です。感情を識別する力を高める方法は、「自分の感情を表す言葉を20個書き出す」です。

例えば、「幸福感」「怒り」「悲しみ」など感情を表す言葉をそれぞれ書き出すと、自分の感情を言葉として認識できるようになります。

前向きな内発的動機を高める

EQを高めるには自分や周囲の感情利用が重要です。自分や周囲の感情を利用すると、前向きな内発的動機を高めることへとつながります。自分や周囲のポジティブな行動を動機づけするには、「〜せねばならない」よりも「やりたい」を優先させましょう。

例えば、手帳に予定を書き込む際には、「やらねばならないこと」よりも、ますは「やりたいこと」を明確にしてみてください。自分が今1番何をやりたいかを意識できると、前向きな行動へと自分をモチベートできます。

自分の感情の要因や変化を捉える

自分の感情を理解できるとEQを効果的に高められます

例えば、瞑想したり日記を書いたりして自分と対話する時間をもつと内省の時間を取ることが可能です。また、相手の話をよく聴いたうえで、「あなたは〜という理由で〜と感じているのですね」と、相手の感情を確認しながら明確化する習慣づけをすると、自分の感情のみならず相手の感情理解にもつながります。

ユーモアを行動につなげる

ちょっとした遊び心やユーモアを大切にすると感情を調整する訓練になります

例えば、「怒りの感情に呼び名をつける」という方法をみてみましょう。感情の中で一番コントロールするのが難しいのが「怒りの感情」です。

相手の態度にイラッとしたり、期待外れの対応をされたりしてムカッとしたら、自分がつい笑ってしまうような呼び名をつけて、怒りをユーモアへと昇華させてみてください。

まとめ

固く握手する男性2名

今回は、EQマネジメント力を最大限に発揮させるためのEQの活用法について、活用事例やEQの能力の高め方も交えて解説しました。要点は次のとおりです。

  • EQを活用すると「自分の強みや弱み」「自分の能力が活かせる環境」「行動と感情のクセ」がわかる。
  • EQはビジネスにおいて「人材育成」「経営課題」「マネジメント」「グローバリゼーション」で活用できる。
  • EQは日常的な訓練や意識づけで高められる。

本記事でご紹介したEQの事例や能力の高め方をビジネスや日常生活にぜひご活用ください。