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2022.10.19

コラム

【2022】教育でEQを高めるには?家庭でできるEQを伸ばす教育方法

EQを伸ばす教育

EQとは、アメリカの心理学者によって提唱された概念であり、日本では「こころの知能指数」と呼ばれています。EQの高い人は、何においても成功を収めやすく、幸福な人生を送れると考えられており、教育現場でも注目されるようになりました

今回は、EQの概要や、EQを伸ばす必要性、家庭でのEQ教育や学習について解説します。

EQとは何か

EQとは何か

近年、教育業界でも注目を集めている概念の「EQ」とは、「Emotional Intelligence Quotient」を略したことばで、日本では「こころの知能指数」と訳されています。数値で表すことができない概念ですが、EQが高い人は、人生において成功を収め、幸せな生涯が送れると言われています。

学力の高さは、その人の学歴を豊かにしますが、だからと言って幸せな人生が保証されているわけではないのです。では、EQとはどのような能力なのでしょうか?

感情をコントロールする能力

EQの高い人は、自分の感情を状況に応じてコントロールして表現し、相手の感情も尊重します。

たとえば、もしも自分が部下の仕事のいい加減さに強い怒りの感情を抱えていても、思いのままに爆発させてしまっては、パワハラと言われてしまうかもしれません。そこで、EQの高い人は、自分の怒りをアンガーマネジメントなどによっていったん落ち着かせてから、感情を作り直します。

アンガーマネジメントとは、「怒りを抑え込む」のではなく、「怒りを表現すべき時にはして、すべきではないときにはしない」ようにコントロールすることです。怒りの感情を反射的に表現するのではなく、いったん怒りを鎮めるために6秒口を閉じる「6秒ルール」が有名です。

落ち着いた後、部下と向き合い、改善点について話し合うなど、理性的な行動を取れるのがEQの高い人です。

人間関係を良くする能力

EQの高い人は、自分の感情と、周りの人の感情の動きを敏感に察知するため、周りの人間関係が良好に保たれます。落ち込んでいる人には元気になれるような、怒りに支配されている人には、広く周りを見られるような効果のある言葉かけができます。

自然と相手を思いやった関わり方ができるので、周りの人からも「いい人」として信頼されるでしょう。

非認知能力と似た概念

非認知能力とは、社会生活において必要な、数値化できない能力のことです。

たとえば、「自己肯定感」「協調性」「忍耐力」「自制心」「共感力」「誠実さ」「リーダーシップ」「創造性」「コミュニケーション能力」などが挙げられます。

非認知能力は数値化できないので、成績や学歴には関わりませんが、人生を送る上では大きな影響を持ち、成功を掴むためには必須の能力です。EQもまた数値化できず、非認知能力として挙げられた要素と概ね重なるため、2つは類似した概念であると認識されています。

IQとの違い

EQよりもよく耳にする「IQ(Intelligence Quotient)」という概念があります。IQは「知能指数」を表し、論理的思考ができるかどうかをはじめとする、いわゆる頭の良さを数値化したものです。

それに対し、EQが示すのは「こころの知能指数」であり、自分の感情の調整能力を指します。EQは数値化することはできませんが、社会で成功を掴むためには、必須の能力といわれています。

IQの高い人材をさらに輝かせる道筋を作るのも、EQの高い人材なのです。

後天的に伸ばすことが可能

EQは、生まれ持った能力ではなく、成長過程で身に着けていく能力です。特に、幼い頃に保護者から無償の愛を享けて育つことで、自己肯定感が高まり、EQが向上するといわれています。しかし、どのような年齢からでも、トレーニングや研修の受講によって成長させられます。

EQが必要な理由とは?

EQが必要な理由

昨今、EQは教育現場でも重要視されるようになりつつあります。では、なぜ子どもの成長にEQが必要なのでしょうか?

人間関係で求められる感情の調整能力

人間は成長過程において、必ず集団社会に所属することになります。多くの他人と、無用なトラブルを起こさずに過ごすためには、自分自身の感情調整能力は必須です。

たとえば、相手の発言に対して、瞬間的に怒りの感情が湧くのはよくあることです。しかし、その怒りの感情をそのまま表に出してしまっては、けんかになるかもしれませんし、相手を委縮させてしまうかもしれません。

人間関係上での失敗のほとんどは、怒りの感情が原因になっているといわれるほどです。そのため、まずは自分が怒りの感情をやり過ごすという作業が必要になります。

このように、感情を素のままに表に出さず、一呼吸おいて感情を整えることは、良い人間関係を築くためには大切なことなのです。

IQは必ずしも将来の成功に結び付かない

IQという概念は、一般的に言われる「頭の良さ」を数値化したものです。IQの高い人材の多くは、頭が良く高学歴であり、就職後もバリバリと活躍する姿が目に浮かぶように感じられます。

しかし、実際に社会で活躍しているのは、対人能力の高い人材、すなわちEQの高い人材であるといわれているのです。

パソコンや机と向き合い、自分だけの力で完成させられる仕事は、決して多くはありません。大抵の仕事は組織で行い、人とのコミュニケーションも必要です。相手の気持ちを思いやったり、人の嫌がる仕事を引き受けたりできる人材こそが重宝され、組織の中でも多くの協力者を得て、成功すると考えられています。

自己肯定感を高めて挫折を乗り越える力が必要

自己肯定感とは、ありのままの自分を好きであり、認めることです。他の人と自分を比べず、かけがえのない存在として自分を受け入れている状態のことをいいます。

自己肯定感が強い人は、物事を前向きに捉えます。たとえば、できないことがあったとしたら、それはたまたま自分にとって不得意なことであって、劣っているからとは考えないのです。

挫折しそうな場面でも、ポジティブに考えることで、時間をかけずに次のチャレンジへと進みます。自己肯定感を持った人は、何かに依存せずに、自分の力で乗り越えることができる素晴らしい人材なのです。

EQが高い人の特徴

EQが高い人の特徴

EQの高い人には、人に好かれる多くの特徴があります。身の回りに、次のような特徴を持った人がいれば、それはEQの高い人かも知れません。

人間関係が良い

EQの高い人は、人間関係が良好です。自分の感情をその場に応じてコントロールできるため、ケンカになりにくいのです。前向きで明るいので、周りの人から好かれ、信頼を寄せられます。

コミュニケーション能力の高さにより、自分の意見も上手に伝えられます。そのため、他の人の話にも耳を傾けられることから、人間関係も良好さを保てます。

精神的に安定している

EQの高い人は、感情に振り回されません。人間だれしも怒りや悲しみに心が支配されてしまうことがありますが、それが日常であれば、周りの人は近づきにくくなってしまいます。増して、負の感情であればなおさらです。

しかし、EQの高い人は自分の感情を律しいつでも冷静でいられます。感情をコントロールできると、人生をよりよいものにしてくれるのです。

我慢強い

EQの高い人は、苦しい時もそれを乗り越え、最後までやり抜く力を持っています。人生は、失敗と挫折の繰り返しです。

しかし、そんな時に立ち止まって膝を抱えるのではなく、顔を上げて前に向かうエネルギーを持っています。

相手の気持ちを思いやる

EQの高い人は、相手の気持ちの動きにも敏感で、思いやりの心を持っています。人間同士が付き合っていく中では、自分の感情ばかりを前面に出すのではなく、相手の感情に寄り添うことも必要です。

良い人間関係が築けていれば、自分が困難に直面したときも、助け合っていけるでしょう。

EQは成績をも左右する

EQは成績をも左右する

成績に直結する能力はIQと思いがちですが、実際にはEQも大きく影響しています。学習環境を良好に保つことで、EQを高めることも可能です。

失われていく「集中力」を高める

昨今、教育現場では、子どもの集中力の低下が危ぶまれています。集中力が低いために読解力が低下し、長文だけではなく、たった数行の問題文であっても、最初から最後まで読んで解凍することができない子どもが増えているのです。

その点、EQの高い人は、目的達成のために自在に集中することが出来ます。たとえば、「明日の漢字のテストでは100点を取る」と目標を置けば、自分で暗記した手ごたえが感じられるまで集中して取り組みます。

人間関係の改善による学習時間の確保

人間関係に悩むのは、大人と子ども、どちらの社会でも同様です。エスカレートすれば、卑劣ないじめにも発展します。しかし、それらの中には、EQの高さで回避できる事柄もあるでしょう。

EQの高い子どもの行動は、自分自身をトラブルから遠ざけます。また、他者の気持ちに敏感なので、困っている人の助けになろうとします。

学校での人間関係が良好であれば、帰宅後に悩んだり相談したりする時間を減らし、その分を学習時間に充てることも可能です。良い人間関係を築ければ、その分時間を有効活用できる好例といって良いでしょう。

愛されることによるサポートの享受

EQの高い子どもは、友人も多く、人間関係が良好です。しかし、だからといって、いつも自分が一番でいようとする考えや、自分が主役でないと気が済まないという考えを持っていません。自分をアピールする人は、周りからは好かれないのです。

むしろ、EQの高い人は、人柄を感じさせる温かな言葉がけや、心遣いをします。そのため、周りの人は「この人を助けたい」「話したい」と考えるようになります。

このように、EQの高い人は、周りの人たちに愛され、多くのサポートを受けられるのです。

家庭でできるEQを伸ばす教育とは

家庭でできるEQを伸ばす教育とは

EQは、生まれつきのものではなく、後天的に習得する能力です。しかし、伸ばすのに良いとされる期間は幼少期であり、6歳くらいまでには基礎ができていることが望ましいようです。EQを伸ばすためには、次のような行動を心がけると良いでしょう。

積極的なスキンシップ

スキンシップは、良好な親子関係を築くためにも欠かせません。子どもはスキンシップを通して、親の愛情を感じ、恐怖や不安を和らげます。

親に愛情を注がれて育った子どもは、ありのままの自分を好きになる「自己肯定感」が強くなり、自分に自信を持つことで困難にくじけず立ち向かえます。こころの安定は、脳の発達に直結するため、積極的にスキンシップを取り、親子の信頼関係を築きましょう。

ほめる

約束を守ったり、目標を達成したりした際には、必ず子供をほめましょう。集団生活の中では、子どもは褒められるよりも案外叱られていることが多いものです。過剰に褒める必要はありませんが、機会を見つけて小さなことでもどんどん褒めてあげましょう。

本の読み聞かせをする

本の読み聞かせは、EQを伸ばす良い手段です。登場人物の気持ちを考えたり、物語の世界に浸ったりすることは、まさしく実際の社会の疑似体験となるでしょう。

また、読み聞かせによって多くの言葉に触れ、語彙力が高まり、ことばのバリエーションが豊かになるのも大きなメリットです。親子で仮想の空間を楽しみましょう。

日記をつける

自分の行動を客観視する機会はなかなかありませんが、一日の終わりに日記をつけることで、自分の行動や感情を振り返れます。嬉しかったこと、嫌だったことなど、すべて日記に書き出してみましょう。

そして、その感情のもとになった出来事が何だったのかを洗い出します。具体的にすることで、自分自身と向き合える良い機会になります。

子どもがまだ字が書けない、日記を書こうとしないといった場合は、親が話を聞いてあげましょう。子どもは大人のように、筋道立てて離すのは難しいかもしれません。しかし、急かしたりイライラしないで、ゆったりとした気持ちで子供と対話しましょう。

まとめ

EQは、ますます複雑化するビジネス社会で成功を収めるためにも、欠かせない教育です。大人になってからでも、EQを伸ばすことはできますが、より効率的に学習するためには、研修やセミナーの受講が効果を発揮します。

そこでおすすめしたいのが、当社グロースウェルが提供している「EQGW」です。

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EQGWを導入した企業からは、「怒りっぽい激情型の上司へのフィードバックの結果、怒りをコントロールできるようになった」という報告もあります。また、「EQGWの結果から個人の向き不向きをもとにした人事配置を行うことで、離職者や退職者が激減した」とのお話も伺っています。

少しでも早く効果的にEQを高めたいと考えている方に、ぜひお試しいただきたい研修です。少しでもご興味を持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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ABOUT US

組織コンサルタント。累計1,000名超国内トップクラスのEQの専門家。(著)組織の感情を変える〜リーダーとチームを伸ばす新EQマネジメント。株式会社グロースウェル 代表取締役。

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